■表面
・割れている……表面に割れめがあるのは、水分や栄養が身体の末端まで行き渡っていない証拠。気力がなく疲れやすい状態。

・ブツブツがある……身体の中で熱の勢いが強いと舌に点状の隆起や赤い斑点が現れる。炎症や感染症、精神面の不調の可能性が。

■裏側
・静脈が目立つ……血行が悪化すると、舌の裏側の2本の静脈が太くなり、盛り上がってくる。生活習慣病になりやすいので注意。

■舌苔
・カサカサしている……血液や水分の循環が悪くなると、舌苔もカサカサになる。炎症や病気の慢性化で、熱が体内にこもっている可能性もあり。

・はがれている……舌苔がところどころはがれ落ちているのは、栄養不足や免疫力の低下を示す。また、胃腸の機能が弱まっている場合も。

・べっとりしている……舌苔がベトベトして湿っているのは、体内で水分が過剰となっているか、冷えがあるサイン。めまいや関節痛などが出やすい。

・黄色い……感染症や炎症があると、舌苔が黄色くなる。薄くついているなら風邪の初期段階の可能性も。無理せず休養をとるとよい。

舌の正しいケア方法

「健康維持のために、舌の状態に合わせて、食材を工夫しましょう。例えば、熱がこもっている兆候があれば、ナス、トマトなど熱を冷ます食材を」

 その他の兆候には、次のような食材を補うとよい。

●水分不足…豆腐、梨
●水分過多…大根、サトイモ
●気力不足、疲労…イモ類、豆類、魚介類
●血行悪化…青魚
●冷え…鶏肉、エビ、ねぎ
●胃腸の弱り…イモ類、豆類

 どれも身近な食材だから、不調を感じたら、摂取して。

【舌はやさしくケアするのが正解!】
「舌は『露出した内臓』とも呼ばれています。敏感な臓器なので、基本的にはあまりさわらないほうがいいでしょう」と、幸井先生。口臭対策で舌みがきをする人もいるが、その場合はやさしく舌の表面をなでる程度に。ごしごしこするのはNG。

【舌の体操で口元からリラックスしよう】
 ストレス社会に生きる現代人は、過剰に緊張しやすい。「舌の体操をすると、口のまわりの筋肉がほぐれ、リラックスしやすくなります。フェイスラインを引き締める効果もあるので、おすすめです」

1. 口を開け、舌をベーっと出したり、左右に動かしたりする。舌をストレッチする感覚で思い切りやろう。

2. 舌を戻して息を吐いて舌と口まわりの筋肉から力を抜く。口まわりから余分な力が抜けた感覚を味わって!

(取材・文/中西美紀)


幸井俊高先生 ◎中医師。「薬石花房 幸福薬局」代表。東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。1988年、中国政府より認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。著書に『舌をみれば病気がわかる』など。

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