うがいクラスターに要注意
ステイホームの過ごし方も重要になる。
「食事をとるとき、例えば3人家族なら2対1に分けて、まずお母さんと子ども、その後にお父さんというように時間差で食べる。それだけでずいぶんリスクを減らせます」
何気ない生活習慣にも盲点が。子どもを真ん中に挟んで「川の字」になって眠る親子は微笑ましいものだけど、感染対策としてはNG。
「川の字に頭が並んでいる状態は互いの飛沫を吸い込みやすい。頭の向きを交互にするなどの工夫が必要です」
沖縄・那覇市では12月初旬、洗面所での歯磨きがクラスターにつながったとして物議を呼んだ。
「歯磨きと同様に、うがいをするときも要注意。勢いよく吐き出すと洗面台や鏡に飛沫が飛び散ります。歯磨きやうがいのあと、除菌クリーナーでふくよう心がけて」
1つのコップに家族全員の歯ブラシをまとめて入れている家庭はよくあるけれど、
「やめたほうがいい。もし1つの歯ブラシにウイルスがついていたら、そこから接触感染を起こしてしまいます。旅行用の歯ブラシについているようなプラスチック製のキャップでガードしましょう」
そう話すのは、医学博士で愛知医科大学客員教授の植田美津恵さん。
タオルや布団、食器類など、家族で共用するものにも注意を呼びかける。
「タオルは自分専用のマイタオルを決めておき、それだけを使うようにする。味気ないですが、箸は割り箸に替えて、コップも紙コップにして使ったら捨てましょう」
一方、トイレは家族との共用を避けられない。排泄後に手を洗うため、気がゆるみがちだが、感染者の排泄物からも新型コロナウイルスは検出されている。
「用を足したあと、ふたを閉めてから流すことです。ふたの内側や便器、便座、トイレのドアノブを1日2回、定期的に消毒するのも効果的です」(前出・村上さん)
家庭内感染で特に気をつけなければならないのが、高齢者や持病のある人と暮らしている場合。村上さんは「自室だけで暮らしてもらい、家族の中でも常に同じ人が食事を運ぶなどの工夫が必要になります」と話す。植田さんは、入浴の順番も重要だという。
「高齢者や持病のある人を優先しましょう。外から帰ってきた人が先に入浴すると、浴室や脱衣所で触れたところにウイルスが付着して、あとから入る人が接触感染を起こすおそれがあります」