時間を決めてダラダラ使わない
ただし、『スマホ認知症』は心がけひとつで回避することもできるのだ。
「まず常に持ち歩くことをやめることです」
例えば1日のスマホ使用時間を決めておく。午後6時以降は電源を切って、タンスの中など見えないところにしまうといった工夫をしよう。
「ゲームも動画視聴も時間を決めて、ダラダラ使いをしない。それにスマホの長時間使用の有無にかかわらず、外出自粛で家にいる時間が長くても、夜更かししないで朝もちゃんと起きるなど規則正しい生活を送ることが大切です」
ほかにも自然の中で軽く身体を動かしたり、スマホを使わない趣味に没頭する時間を定期的に持つことも『スマホ認知症』にならないための第一歩だ。
「離れて暮らす両親には“〇月に行くからね”と伝えたり、次の予定を具体的に立てましょう。そして、こまめに連絡をとること。寂しさはスマホにどっぷりつかってしまう原因になります」
高齢の両親とメールやLINEだけでなく、手紙を交わすことも予防になる。
「手紙は何を書こうか考えますし、間違えないように気も使います。便せんも用意しなければいけません。自分からあれこれ考えて積極的に動くことが脳にはいいんです」
リスクがあるのは高齢者だけではない。実は50代、60代こそ気をつけなければいけないのだ。
「高齢者以上にスマホを使う機会が増えています。スマホの使いすぎで不眠ぎみ、不規則な生活が続けば、それは将来的に認知症そのものになるリスクも高めているんです」
年末年始を自宅で過ごし、スマホ三昧だったあなた。スマホを家に置いて、密を避けながら散歩に出かけてみては。
『スマホ認知症』を防ぐ8つの生活習慣
「私は大丈夫」は落とし穴──。最近、スマホを触る時間が増えていませんか? そこで日ごろの生活を振り返ってほしい! 普段心がけているものにチェックをつけよう。
□規則正しい生活を送っている □スマホを使う時間を決めている □午後6時以降、スマホは使わない □運動をするなど、日ごろから身体を動かしている □スマホを使わない趣味がある □日記や手紙を書いている □家族や友人とこまめに連絡をとっている □認知症の検診に定期的に通っている
*チェックの数が5個以上なら油断せず。3、4個は要注意。0~2個はスマホの使い方の見直しを!
加藤俊徳医師(脳内科医)
加藤プラチナクリニック院長、「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳番地トレーニングの提唱者。加藤式MRI脳画像診断法を用いて、認知症、発達障害を診断治療。著書に『脳が若返る! 記憶力育成ドリル』(宝島社)ほか多数