洗いすぎで口臭にも影響が!?
さらに、日本人のきれい好きはお尻だけにとどまらず、女性は外陰部の洗いすぎによるトラブルも増加。かゆみ、皮膚の炎症による痛みのほか、ここ10年は、膣炎や膀胱炎も増加しているという。
「皮膚は年齢を重ねるほどに乾燥しやすくなるので、洗いすぎると、トラブルが加速。一方、幼いころからお尻を洗いすぎている子どもも多く、肛門まわりが切れるなどの症状の低年齢化も問題視されています」
では、洗いすぎると具体的にどんなトラブルに発展するの?「お尻を洗いすぎの人は、まず”出残り便秘“に注意をしなければなりません」(佐々木先生、以下同)
出残り便秘とは、いわゆる腸に便がたまるものではなく、便が出しきれず出口(肛門)に残ってしまう便秘のこと。便が残っているとトイレットペーパーで何度ふいても紙に便がつくため、お尻を洗いたくなるが、洗っても出残り便は出ない。
そこで温水で刺激をしながら排便をするなど、温水洗浄便座の間違った使い方をするようになる。すると温水で刺激しないと便が出ない状態になり、かえって排泄力を低下させてしまう。
「出残り便があると、便からガスが発生してお腹が張るだけでなく、オナラや口臭や汗臭さの原因になります。排便時の出始めの便が硬くなるので、肛門が切れることも」
温水洗浄便座で過剰に洗う→肛門まわりの肌が荒れる→痛みのため排便しづらいという悪循環に。また、お尻の皮膚は、目のまわりの皮膚と同じくらいデリケート。排便のたびに温水洗浄便座を高水圧で長時間使うのはやめ、正しい使い方を。
「洗いすぎで肌のバリア機能が弱まるため、細菌やウイルスの感染や慢性的な湿疹による激しいかゆみをもたらします。VIO(ビキニライン、陰部の両側、肛門周辺を指す)ラインの脱毛も、毛がなくなって清潔だと感じる人が多いですが、脱毛時に皮膚炎を起こしたり、アポクリン汗腺を刺激してニオイのある汗の量が増える場合があるので、私はおすすめしません」
洗いすぎという自覚がなくても、かゆみ、痛み、ペタペタ感といった違和感がある人はすでに洗いすぎによるお尻のトラブル予備軍かも!
「自撮りモードにしたスマホの上にまたがって、お尻の状態を撮影してみるのもいいと思います。白っぽくなっていたり、黒ずんでいたら、お尻の皮膚の炎症が慢性化している証拠。すぐにお尻との付き合い方を変えましょう」
■あなたは大丈夫? 洗いすぎキケン度check!
●入浴について
□肛門にシャワーを直接当てている
□肛門や外陰部を手でこすっている
□石けんやボディソープで肛門や
□外陰部を洗っている
●衛生習慣について
□お尻ふきやウエットティッシュなどで肛門をふいている
□家庭用の殺菌消毒液で肛門を消毒している
●温水洗浄便座機能について
□排便に関係なく、トイレに入るたびに使う
□自宅以外のトイレでも使う
□温水で刺激しながら排便する
□15秒以上、洗浄している
1つでもチェックがついたら洗いすぎです!