コロナ禍で増えるゴミ屋敷予備軍
住人だけでなく、周辺の人も危険にさらされている。火事だ。出火すればゴミに阻まれて消火が困難となる。住人は避難が遅れ、延焼すれば周辺にも被害が及ぶ。
「周辺のゴミが焦げた状態の電源タップを発掘することはよくありますね」
同社には“ゴミ屋敷となった自宅を掃除してほしい”との依頼が月200件以上寄せられている。昨年の緊急事態宣言以降、相談件数が急増。
「コロナ禍でリモート勤務にかわり、自宅でオンライン会議をすることになった、自宅で過ごさざるをえない時間が増えたことから片づけを余儀なくされた人が増えたと考えられます」
そしてゴミ屋敷予備軍も増え続けている可能性がある。
「テイクアウトや出前を頼む機会が増えたり、通販で物を買えば段ボールに入って届きます。それに外出も難しく感染への不安やストレスもたまっています。無気力になったり、リモートで出勤しないからゴミを出しそびれてためてしまうこともあるようです」
通販サイトの段ボールが大量に出てくる現場も増えた。
「スマホで簡単に商品を購入できることも一因と考えます。買い物依存状態になり、タグがついたままの商品が山積みになっているケースも」
なぜ依頼者はゴミ屋敷にしてしまったのだろうか。
「多いのは不規則な勤務体制の人。ゴミ捨てのタイミングを逃し、そのままズルズルと増やしてしまった」
ゴミ出しの際、近所の人があさり、分別の仕方を指摘されたことでトラウマになり、ためるようになった人もいたという。