「老後資金について、万全な対策をとっている人は、かなり少ないんです」というのは、老後問題解決コンサルタントの横手彰太さん。老後に必要とされる自己資金は、生活費だけではない。
自分は大丈夫と思っている人ほど危ない
「自分は絶対に病気になる!と思って生活している人はあまりいませんよね。なので、実際に病気になったときの治療費や入院費などは本人にとって“思いがけない”出費となります」(横手さん、以下同)
加えて苦労して確保した老後資金を、大きく減らしてしまうこともある。
「退職金を投資にまわし、減らしてしまう人は意外と多い。さらに、家族間のコミュニケーションが減っていたり、認知能力が下がっていると、詐欺にあってしまうことも」
自分は大丈夫と思っている人ほど、意外な落とし穴にはまってしまいがちなのだ。
「老後に仕事第一だった夫がうつ病を発症したり、熟年離婚をしてしまうなど人生は本当にいろんなことが起きますよね。100年と考えると、老後は非常に長い期間。どんなトラブルが想定されるのか、事前に対策を練っておくことをおすすめします」
お金がなくてもトラブルを回避!
老後資金を確保するだけでも大変なのに、あらゆるトラブルを想定しておくなんて……。考えただけでもサジを投げたくなるが、お金が少なくても、乗り切れる方法があるのだとか。それは、今まで以上に、自分の心と身体の健康を大切にすること。
「食事は腹八分目にして、早寝早起き、適度な運動を心がけること。当たり前の健康習慣を大切にすることが、何より大切です。何を当たり前なことを、と思うかもしれませんが“病気になったらいくら必要”と考えるより、病気にならない工夫をしたほうがずっと安くつきますから」
次のページから、各年代で起こりうるリスクと、その回避策を紹介する。