「おふたりは早く結婚なさって、一般の方として暮らすのがよいと思います。私が考える問題の本質はそこではありません。皇室の方々には“どのように働きかければ日本のため、そして世界平和のためになるのか”という点に目を向けていただきたい。長い目で見て、皇室のあるべき姿をもう1度よく考えていただきたいのです」
そう主張する明石さんの脳裏には、忘れられない上皇さまのおことばがある。
「もう、上皇さまと会うことはない」
「お代替わり前に行われた、学習院初等科の同窓会で、学友のひとりが当時陛下だった上皇さまに“天皇に即位されてから、どういうお気持ちで国民と向き合われてこられたのですか?”と、大胆なご質問をしたのです。すると、“日本国民がいつも幸せであってくれることしか考えていません”とおっしゃった」
明石さんは、まるで上皇さまに語りかけるかのように「今の皇室の状況を見れば、上皇さまの願いが叶っていないことは一目瞭然ですよね」と、つぶやく。
「私は長生きしすぎたのかもしれません。皇室に関する見聞きしたくなかったことも受け止めなくてはならない。昔も今も変わらず、私は“どのようにすれば、上皇さまが人間として幸せになれるのか”ということを考えてきました。その結果が“絶縁”という形になったのです」
週刊女性に打ち明けた断腸の思い。しかし、明石さんは上皇ご夫妻に直接、伝えたことはないという。
ただし、「美智子さまは、現状をよく理解しておられると思います」と続ける。
「美智子さまは、いろいろなことに神経を使われるお方です。私が考えている“新しい風”がうまくいかなかったということも、お気づきになっているのではないでしょうか。
本来、皇室はどのような立場で、どのように国民に対して役割を果たすべきなのかをお考えになり、皇室の未来がこれ以上悪い方向へ赴かないように、危機的状況に向き合っておられると思います」
明石さんの推測が的中しているのか、美智子さまは最近、ご体調に変化が表れ始めているという。
「上皇后陛下は思い悩まれていることがあるのか、以前よりもかなりおやせになった印象で周囲は大変心配しています。ただ、時間を見つけてはご友人に電話をかけて、じっくりとお話をされているようです」(前出・上皇職関係者)
最後に明石さんは、しぼり出すようにこう言った。
「私はもう、上皇さまと会うことはないでしょう」
ご学友の苦しく、切ない声が、敬愛してやまない皇室に届く日は来るだろうか──。