その年の差45歳。加藤茶さんの妻として健康を支え続けて10年目。「介護」はいずれやってくると覚悟を決め現在猛勉強中。そんな中で生まれた驚きや疑問。この超高齢化社会に、前向きになれる介護情報を隔週でお届けします。
第5回 介護×遠距離
介護離職は「しない」と決めておくことが大切
―離れて暮らす親を遠距離介護することになったら? 介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんと語り合っていただきました。
綾菜 広島に住む私の両親はまだ若くて元気なのですが、コロナ禍もあってなかなか会えません。遠方に住む親に会えずにいるうちに介護が必要になるということも増えているのではないでしょうか?
太田 本当に増えていると感じます。自宅に1人で引きこもりがちで高齢者うつを発症したり、筋力が衰えて転倒したりする話をよく聞きます。綾菜 私の友達の母親も突然、若年性の認知症になったんです。彼女は東京に住んでいるのですが、コロナで長く広島に帰省できず、電話で話すと様子がおかしかったそう。
近所の知り合いに連絡して見に行ってもらったら部屋がグチャグチャで……。今は転倒骨折をしてしまい入院しているのですが、自分が仕事をやめて広島に帰るしかないかと、とても悩んでいるんです。でも、介護離職はしないほうがいいですよね?
太田 それはやめるように言ってあげてください。気持ちはわかりますし大変ではありますが、ここで離職してしまったら将来もらえる年金額にも響きますし、地元で再就職したとしても収入が下がることが多いです。まず第一に自分の将来を考えて。
綾菜 母親がひとり暮らしということもあって「帰ってあげない私って冷たいのでは?」と後ろめたく感じているようなのです。
太田 親が元気なうちから「介護が必要になっても絶対に仕事はやめない」と自分で決めておくことが大事です。