高血圧の薬だった発毛成分ミノキシジル
髪の悩みがある人は、頭皮の専門医がいるクリニックを受診するのも1つの手だ。
「クリニックでの薄毛治療では、ミノキシジルという成分が入った薬を使います。この薬はもともと、血圧を下げるための血管拡張薬でしたが、服用した人たちに発毛効果が見られたため、現在は薄毛改善に応用されています」
まずクリニックでは、頭皮の状態を検査し、血液検査や問診を行う。薬を処方する場合は、ミノキシジルの濃度を変えた6段階の薬のうち、その人の症状に合わせて処方する。部分的な治療であれば塗り薬を使い、全体的な治療を行うときは飲み薬を使う。
自由診療にはなるが浜中先生のクリニックでは、1か月の費用は塗り薬のみで1万
6500円(税込み)だという。
これからの季節、自宅で行う薄毛対策で、心がけたいポイントは?
「通常でも毎日、100本ほどの髪の毛が抜けるといわれています。抜け毛が怖いからと、2日に1回しか頭を洗わない人もいらっしゃいますが、それで抜け毛が減るわけではありません。なによりも頭皮を健やかに保つことが大事なので、洗髪の回数を減らさないようにしましょう。1日1回洗髪をすれば、頭皮の汚れを防ぎ、清潔に保つことができますよ」
髪を洗った後は、濡れたままにせずに、すぐにドライヤーで乾かすことが大切。このとき意識したいのは、最初に髪の根元の頭皮を乾かすこと。頭皮がいつまでも濡れていると、かゆみやにおいなどの皮膚トラブルが起きて、抜け毛に発展してしまう。
「アンチエイジングの基本ですが、よい生活習慣を取り入れることも必要です。十分な栄養をとり、無理なダイエットは行わないように。アルコールやタバコもなるべく控えましょう。また、質の高い睡眠をとり、朝型の生活を送ることが望ましいです」
自宅でできる薄毛予防法
食事
髪の毛の原料であるタンパク質をしっかり摂取し、野菜や果物からビタミンやミネラルをとることが大事。食事で摂取しにくい亜鉛やビタミンB₆などは、サプリメントを利用してもよい。
睡眠
日中に髪の毛が受けたダメージは、寝ている間に成長ホルモンや免疫細胞が修復してくれる。ホルモンの分泌を活発にするには、早寝早起きを心がけて、できるだけ質の高い睡眠をとるようにする。
お手入れ
シャンプーは頭皮がすっきりして、ボリューム感が出るものを選ぶ。白髪を染めるときは、白髪染めを毎回使うのではなく、白髪染めとヘアマニキュアを交互に使用して髪の負担を減らす。
取材・文/松澤ゆかり