販売元にも確認してみると、ライオンは
「現在、増産の体制をとっています。ご要望にお応えできる数量を、なるべく早く提供できるようにしたいと考えております」
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、
「世界中のすべての市場で、製品の入手可能性を最大限に高めるように、あらゆる手段を講じています。今回の世界的な公衆衛生上の危機においても、できるだけ多くの方に製品をお届けできるよう、在庫の出荷を順次行っているほか、供給を確保するために、製造拠点で最大限の生産を行っております」
だが、2社とも市場に出回る時期については“今は明確に答えられない”とのことだった。
去年の2、3月にはマスクが同じように欠品状態となっていた。それもこれもコロナへの恐怖心が招いたパニックだといえよう。
そもそも、なぜこの2つの市販薬だけが爆発的に売れているのか。前出のドラッグストアの薬剤師によると、
「簡単に言うと、これらの薬は鎮痛剤としての成分がアセトアミノフェンだけだから。薬としての鎮痛効果はかなり弱いのですが、そのぶん身体への負担がほとんどないんです」
皮膚の血管を広げて熱を放散させる作用や、脳の感受性を低下させる作用があるアセトアミノフェン。安全性の高い解熱鎮痛剤の一種で、子どもが服用しても問題ないとされている。一方、
「ロキソニンなどのような非ステロイド性消炎鎮痛剤は、前者より鎮痛効果は高い。ですが、そのぶん身体への負担も大きいのではないかと考えられています」