この秋、フジテレビから25年続いた火曜夜のドラマ枠が消えた。
エリートと残念女子のすれ違いラブストーリーを描いた、中島健人&小芝風花ダブル主演の連続ドラマ『彼女はキレイだった』(火曜夜9時)が最後の作品となり、9月14日に最終回が放送された。
系列局の関西テレビ制作のドラマ枠“火9”は、月曜夜10時に移行。綾野剛主演の『アバランチ』が10月18日からスタートする。
月曜夜9時(通称・月9)は、窪田正孝主演の『ラジエーションハウスll~放射線科の診断レポート~』が10月4日にスタート。月曜の夜はドラマが2段積みになる。
「火曜日の夜はTBSのドラマが話題になることが多く、フジは視聴率で苦戦していました。月曜日の夜はドラマ枠の裏かぶりがありません。一昨年に放送された『ラジエーションハウス』は、放射線技師たちの人間ドラマを描いた感動作。最高視聴率13.3%と“月9”復調の作品になり、2年ぶりの続編も期待されています。
“2時間続けてドラマを見るのはしんどい”という声もありますが、月曜日はほかの曜日より在宅率が高いことや、月9の勢いそのまま月10に視聴者を呼び込める可能性はあると思います」(スポーツ紙記者、以下同)
トレンディー“月9”と一線を画す“火9”
フジは1990年代から2000年代に“月9”ドラマで『101回目のプロポーズ』『東京ラブストーリー』『ラブジェネレーション』『ロングバケーション』など視聴率20%を越えるヒット作を連発した。
「F1と言われる20代、30代前半の女性の視聴者層をターゲットにした月9は恋愛ドラマが主流でトレンディードラマの象徴でした。それとは一線を画して始まったのが“火9”です」
その第一弾が1996年放送の『みにくいアヒルの子』。岸谷五朗主演で小学校教師“ガースケ”の成長物語を描いた。いじめによる子どもの自殺という今日的なテーマを盛り込んだヒューマン作品は好評で連ドラ放送後に、続編としてスペシャル版3作が放送された。
以降『踊る大捜査線』、『救命病棟』シリーズ、『海猿』、『WATER BOYS』、『花ざかりの君たちへ~イケメン・パラダイス~』、『フリーター、家を買う』、『リーガル・ハイ』など数多くの話題作を輩出した。
「1997年放送の“踊る”は、いまでは珍しいことではありませんがドラマを映画化する先駆けとなった作品で、100億円を越える興行収入を記録しました。海難救助の潜水士たちを描いた『海猿』は劇場版も製作されヒット。海上保安庁に入庁を希望する若者が増えたと言われた作品です」