免疫アップの入浴のコツとは
「入浴そのものにも免疫アップ効果が。入浴で身体が温まると全身の血管が広がって血流が促進されます。すると、免疫細胞のリンパ球が身体の隅々まで行き渡りやすくなり、がん細胞などを攻撃するナチュラルキラー細胞が活性化されて免疫力のアップに」
額にじっとり汗をかくくらいを目安に、湯船につかってしっかり身体を温めよう。
また、入浴の前後にコップ1杯の水を飲んでおくと、血流がよくなり温め作用が高まるので、おすすめだという。
「ほかにも自律神経の調節や代謝機能のアップ、リラックスやストレス解消を促す作用など、身体の健康に関わるさまざまな働きを高める効果もあります。免疫機能は健康であるほど正常に働くので、入浴は総合的に免疫力を高めることにつながります」
入浴効果の持続は7〜8時間。毎日の入浴が理想だ。シャワーだけでなく、湯船に毎日つかる習慣をつけよう。
「就寝する1〜2時間前がおすすめです。人は体温が下がると眠くなりますが、寝る直前にお風呂に入って体温が上がると、眠りづらくなります」
入浴中のスマホチェックなども交感神経を刺激してリラックス効果を妨げるので要注意。
◆熱すぎるお湯は免疫を低下させる
日本人は熱い湯を好む人が多く、それによって逆に免疫機能が低下してしまう場合があるという。
「42度以上のお湯に入ると交感神経が優位になるので、身体が緊張して血圧が上がり、内臓の働きも弱まって、かえって免疫機能が抑えられてしまいます。適温は40度です。40度のお湯は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせることがわかっています。42度を境に身体や免疫機能への作用が大きく変わってくるため、お湯の温度は慎重に」
皮膚の感覚は加齢とともに鈍るため、温度は体感ではなく、給湯器の正確な数字を確認しよう。
ただ、熱い湯に慣れていると、お湯の温度を下げたらぬるくてスッキリしないと感じる人もいるだろう。
そこで便利なのが、炭酸系や温泉の素などに多い無機塩類系の入浴剤。
「保温効果があり、血行をよくするので身体がさらに温まります。炭酸系は、体感温度も上がるので熱い湯を好む人にもおすすめです」
熱すぎるお湯は、室温との温度差を生んでヒートショックの可能性を高めるため、命の危険性も。これからの寒い季節は湯温が高くなりがちなので注意が必要だ。