メンズ用の『美顔水』も
「ホモスルファミンとサリチル酸という主要成分です。ホモスルファミンはニキビのもとになるアクネ菌を殺菌します。コロナ禍でマスクを日常的につけていると、口周りが高温多湿状態になり、皮脂が増えがちに」(伊藤さん、以下同)
肌のターンオーバーがうまくいかないと毛穴の角質が厚くなり、増えた皮脂が毛穴に詰まりやすくなる。その中でアクネ菌が繁殖し、炎症を起こしてニキビができる。
「実は化粧品でこのホモスルファミンを配合しているのは『美顔水』だけなんです。サリチル酸はニキビの原因になる古い角質を柔らかくして除去してくれます。この2つの主要成分がニキビに悩む肌を整えるんです」
当初、『美顔水』は医薬品として取り扱われていたが時代が変わり、現在では薬用化粧水として誰もが手軽に購入できるようになった。
入手しやすくなった『美顔水』は皮脂分泌が盛んな若い層や冒頭の田中さんのように大人ニキビに悩む女性に支持されている。でも、ニキビに悩むのは女性だけではない。
ニキビに悩む男性も非常に多いため、1998年には『メンズ美顔水』も展開した。
『メンズ美顔水』には前述のサリチル酸に加えて、アクネ菌に殺菌作用を発揮する有効成分、感光素201(ピオニン)も配合。
「一般的に男性は皮脂分泌が多いのですが、ひげそりなどで肌が敏感になっている人もいるため、『メンズ美顔水』のほうが低刺激と感じる人もいます。
従来の『美顔水』と『メンズ美顔水』でその使用感や効果は人によって異なりますので肌に合わせて使ってみてください」
美顔水使用後に乾燥が気になる人は十分な保湿をすることも肌を守る大切なポイントだ。
「20代後半から30代は乾燥も気になってくるので使用後にしっかりと保湿をしないとほかの肌トラブルの原因になります」(石田さん、以下同)
では、そんな美顔水の効果的な使い方を聞いてみた。前出の伊藤さんが解説する。
「洗顔後、『美顔水』を手のひらに出して顔全体になじませる、もしくはコットンに適量を含ませ、優しくふき取るようにすべらせます。ポイントは優しく、です。避けてほしいのはパックのように顔にのせたままにすること」
ふき取り用化粧水のメリットも生かし、これからの季節、寒くて朝の洗顔がしんどい、と思う人にもおすすめだという。寝ている間にも皮脂は分泌されるため、寝る前にケアし、就寝中のアクネ菌繁殖を防ぎたい。
「二の腕や背中などのニキビにもおすすめ。全身に使ってもらいたいです」
ニキビに悩む人に寄り添いながら商品開発を続けてきた同社だが順風満帆な時代ばかりではなかった。