投げ銭トラブル相談、約半数が未成年
急拡大している投げ銭。なぜそこまで流行しているのか。コロナ禍を機に投げ銭にはまった40代女性は言う。
「コロナで家にこもっていたときにゲーム実況を見始めました。最初は投げ銭をせずに見ていただけだったのですが、1円から投げ銭できるので、あるときやってみたんです。そうしたら小さなイラストが画面に表示されて配信者を応援している感じをとても味わえました。うれしくて、ついはまってしまって……」
誰でも簡単に始められ、気軽に楽しめる投げ銭。しかし、いつの間にか限度を超えてしまうことも。
「未成年の投げ銭トラブルが急増しています。クレジットカードに数か月で100万円以上の請求があったのを不審に思った親が中学生の娘に聞くと、以前教えたクレジットカード番号を使って1回1万円程度の投げ銭を何度も繰り返していたというケースや、大学生が学費として渡されたお金を使い込んでしまい、学費を払う直前になって親に泣きついてきたケースも。投げ銭をするお金欲しさにパパ活をしていたという中学1年生もいました」
消費者センターに寄せられた投げ銭トラブルの相談は、半数ほどが未成年に関するものだという。
ちなみに、すでに巨大な投げ銭市場がある中国では、なんと小学生が3000万円近く投げ銭をしてしまったケースも。こうした事態を受けて、中国では去年の8月から、未成年の投げ銭を禁止するなどの規制が始まっている。
一方、日本ではまだ規制がないに等しく、自己責任でトラブルを避けるしかない。どうしてこれほど投げ銭の金額がエスカレートしてしまうのだろう。
「ネット通販と同じで、投げ銭も画面上のボタンをポチッと押すだけで簡単にできてしまいます。いくら使ったかが実感としてわかりづらいのです。さらに、配信会社が投げ銭を煽るイベントを仕掛けることも。『投げ銭獲得金額のランキング上位者をCMに出します!』といったものです。
すると、自分のお気に入りをCMに出そうといっそう投げ銭し、配信者は感謝します。こうしたやりとりを通して、応援している側は『自分は配信者の特別な存在になれている』と感じ、さらに応援したい気持ちが高まっていくのです」