「私は根っからの仕事人間」
「世の中でいちばん楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事を持つということです」
これはきぬさんが人生の指針にしている福沢諭吉の言葉である。
きぬさんは自身のことを「根っからの仕事人間」であると話す。3日間仕事が休みで家にいると、働きたいと思ってしまう。家にいるとぼんやりしてゆるんでいるが、仕事はそうもいかない。現在のように週1~2回の勤務があるおかげで、生活によいメリハリができるというのだ。
実際、親の介護など、つらいことや悲しいことがあったとき、支えになったのは仕事だった。看護師という仕事は悲しみを支えるものであり、喜びや充実を得るものであり、気分転換でもあったのだ。
「一生を貫く仕事とは、給与の発生する“労働”だけではないと思うんです」。人生で成し遂げたいことや目的を持ち、行動し続けることこそが重要であると話す。
次の目標は「いつか自分が施設に入ったら、ボランティアをしたい」。もしきぬさん自身が利用者として施設に入居しても、CDプレーヤーを持っていき音楽を流してみんなと歌いたいし、楽しく過ごすために率先して行動しようと決めている。ほかにも、現在勤務している「いちしの里」で4月からの本格的な電子化導入の予定を聞き、「パソコン教室に通いたい」、と社長に相談した、とも。
年齢にとらわれず、新しいことに挑戦し続けるその精神が衰えることはない。