冒頭にあるように、大谷は借金を抱え、結果自己破産に至っている。借金の理由とは。

「きっかけは引っ越すときのローンでした。当時東京から離れていたのですが、仕事を増やすには……と思い、東京に戻ったんです。最初は借金は40万〜50万円ですね」

 その後、借金は積もる。

自己破産の道を選んだ理由

「性格上、何かを始めようとするとき、まず形から入るというか、道具からそろえなきゃって考えちゃうんです。最終的な借金額は生活保護を申請した'20年ごろに450万〜500万円の間くらい。自分でもあまり把握できていない感じだったのですが……」

 コロナ以前は活動は順調だったという。

「動画配信はコロナの前から始めていて、結果的に月に50万円くらいの収入になっていました。それで生計が立てられていたので、これは返せるぞという時期がしばらくあったんですよ。そのときは本当にありがたくて、毎日7時間くらい配信していました。内容はしゃべって歌って、みたいな感じです」

 月50万円という悪くない収入を得ていたが……。

「配信で食べられるようになったら使うお金も増えていって、でも“返せる、返せる”って思ってた。そしたらコロナが……。コロナになってグンと配信を始める人が増えました。もともとやっていた私のような配信者はライバルが増えたんです。ランキング形式のイベントに急にケタ違いの配信者が集まってきて、入賞することが難しくなりました。それでイベントに出なくなったら、月収が10万、15万円とかになって、生活がやっと、みたいな」

'08年リリースの『メロン記念日』のベストアルバム。左上が大谷
'08年リリースの『メロン記念日』のベストアルバム。左上が大谷
【写真】大谷雅恵が自作した「陶芸カップ」と「ダイダイ染めのTシャツ」

 このころ、一時帰省して借金のことを家族に告白。

「だけど親が助けられるような金額じゃないし、自分でも結構追い詰められたんです。何か方法はないかなと考えたら、生活保護とか自己破産の道を選ぶしかないのかと思って自分で調べ始めました。弁護士さんも探して。それで決めました」

 結果、彼女は生活保護を受けることとなる。

「'20年の末から生活保護を半年受けて、自己破産の申請も始めました。精神的にも安定してきて、また動画配信とバイトを始めたので」

 生活保護と同時に申請した自己破産は、今年の1月に成立した。動画配信などで収入は持ち直して生活保護から抜けたが、自己破産の理由とは。