水分補給は1日8回、渇きを覚える前に
水分補給は一定のタイミングで、と谷口医師。
「薬のように、毎日時間を決めて水分をとるのが一番。1日8回くらいにわけて、コップ1杯程度の水を飲みましょう。そうすれば1日に必要な水分量を摂取できます。じつは日ごろの水分を補給するなら温かいお茶でもいい。飲み物の温度は、体温調節にそこまで影響がありません。ただ熱中症の症状が出ているときは、冷たい飲み物で急速に体を冷やすことが肝心です」
日中ずっとマスクで過ごしていると、のど渇きにも鈍感になりがちだという。また軽い脱水状態の時にも、のどの渇きを感じない。そのため、のどが渇く前、あるいは暑い場所に行く前・運動前から水分を補給しておくことが大切だ。
体温調節が難しい高齢者や子どもは「水分補給」と「手のひら冷やし」を意識的に行い、暑い夏を無事に乗り切ろう。
「熱中症予防」ポイント3
(1)暑い時間の行動をさける
(2)水分補給は定期的に
(3)体温の上昇を抑えるために「手のひら冷やし」
「手のひら冷やし」ポイント3
(1)流水で15秒ほど
(2)冷たすぎるのはNG、10~15℃が適温
(3)首も同時に冷やすと効果的
谷口英喜 先生
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長兼栄養部部長。福島県立医科大学医学部卒業。麻酔・集中治療、経口補水療法、熱中症対策などが専門。著者に『経口補水療法ハンドブック 熱中症、脱水症に役立つ 脱水症状を改善する「飲む点滴」の活用法』など。
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長兼栄養部部長。福島県立医科大学医学部卒業。麻酔・集中治療、経口補水療法、熱中症対策などが専門。著者に『経口補水療法ハンドブック 熱中症、脱水症に役立つ 脱水症状を改善する「飲む点滴」の活用法』など。
取材・文/オフィス三銃士