88歳で始めたアラ卒YouTuber「“年だから”は使わない」
小林まさるさんが料理の世界に足を踏み入れたのは70歳のとき。義理の娘であり、人気料理家の小林まさみさんのアシスタントをしたのがきっかけだ。78歳で自身初のレシピ本を出版、89歳の現在も精力的に活動を続けている。
「俺は『年だから』って言い訳するのが嫌い。何歳からでもチャンスはあるよ」
“面白そうだと思ったら、まずは飛び込んでみる”がモットー。昨年は88歳の記念に『小林まさる88チャンネル』でYouTuberデビューも果たした。趣味の釣りや健康の秘訣など、89歳の今を動画で伝えている。
「YouTubeなんてまったく知らなかったけど、俺の場合、後ろに棺桶が見えてるから(笑)。いくばくもない時間、立ち止まる時間がもったいないと思って始めたんだ。“自分の記録を遺したい”という気持ちもあったかな」
YouTubeでは、自身の戦争体験も語っている。
「戦争中に死を覚悟した経験があるせいか、怖いものはない。だからこそ生きてる今、なんでもやろうって気持ちにつながっているのかもしれないね」
前向きな小林さんの姿に、視聴者からは『癒される』『親にも見せたい』という声も多い。その元気の秘訣は、お風呂体操だ。
「湯船に浸かりながら、肩を伸ばしたり腕をグルグル回したり、ストレッチ。かれこれ50年近くやっているよ」
三日坊主になりがちな運動も「毎日入るお風呂とセットにして習慣づける」のがまさる流。片道20分かかるスーパーへの買い出しや犬の散歩も日課。気づけば1万歩は歩いているというから、体力も若者に負けていない。
YouTubeの次なる目標は?
「同世代の人たちを集めて、まさるの料理教室なんてやってみたい。料理には終わりがないから、面白いアイデアは尽きないよ。残りの人生にチャレンジの機会をくれた息子夫婦には感謝しかないね」