フィリップ王配と同じように……
東京・五反田にある、美智子さまのご実家の跡地につくられた区立公園『ねむの木の庭』では、エリザベス女王から美智子さまへの“親愛の証”が現在も咲き誇っている。
「園内には美智子さまゆかりの植物など、約60種類が植えられています。その中には'67年にエリザベス女王から献呈されたバラである『プリンセス・ミチコ』も植えられているのです。美智子さまはこのバラを大変お気に召しておられます。花言葉は“絆”や“信頼”です。美智子さまと女王は半世紀にわたり、『プリンセス・ミチコ』の固い絆で結ばれていたということです」(宮内庁関係者)
前出の渡邉さんが明かしたように、美智子さまはエリザベス女王から“献身的な姿勢”を学ばれている。それは、配偶者を支えるというご覚悟についても同様だろう。'75年に来日した際の女王は、昭和天皇に対して次のような言葉を残されている。
「女王は孤独なものです。重大な決定を下すのは自分しかいないのです。そしてそれから起こる全責任は自分自身が負うのです。その立場をわかっていただけるのは、御在位50年の天皇陛下(昭和天皇)しかおられません」
女王の孤独を支え続けたのはフィリップ王配だった。
「天皇や各国の君主などの気持ちを真に理解できる人間は、もしかしたらいないのかもしれませんが、いちばん近くで寄り添い、支えることができる唯一の存在は配偶者でしょう。美智子さまは女王の言葉を聞いて、フィリップ王配が女王を支えたのと同じように、“上皇さまをお守りして寄り添い遂げる”覚悟を改めて固められたのではないでしょうか」(前出・宮内庁OB)
美智子さまはエリザベス女王から贈られた“バラと忠言”を胸に、これからも上皇后としての責務をお務めになることだろう。
渡邉みどり ジャーナリスト。文化学園大学客員教授。60年以上にわたり皇室を取材し、『イギリス王室 愛と裏切りの真実』(主婦と生活社)など著書多数