生き方を変えてがんが治る身体をつくる

 船戸先生はがんになるまで「そもそもなぜ病気になるのか」という根本的なことを考えることはなかった。だが、自分をひとりのがん患者として客観視するようになる。

「あらためて自分の生活習慣を振り返るとひどいものでした。がんはそれまでの生き方や生活習慣の“結果”。だから、外科手術で切り取り、抗がん剤や放射線治療で対処しても、以前のままの生活をしていたら再発するのは当たり前です」

 自分の治療を通じ、「がんを消すリンパ球を元気に」し、自然治癒力を引き出す生活習慣を考え始める。

「遺伝子のエラーは、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れ、冷え、たばこや過度の飲酒などの悪い生活習慣や、環境要因などで加速します。つまり、より早くがん化する可能性があります。そこで、それとは反対の生き方にすればいいと考えました」

 単に規則正しい生活をするだけでは足りない。「睡眠」「食事」「笑い」「運動」「身体を温める」の5点に注目して暮らすことが大切だと気づき、治療を続けながら自ら実践した。

「これをクリニックでは5か条にまとめました。実際に習慣化させた患者さんは、本当にがんが小さくなりました(次ページ参照)」