「認知症にならないためにできること」

 現在、65歳以上の6人に1人が認知症で、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。でも、おびえないでください。認知症にならないために、今日からできることを柴谷さんが教えてくれました。

認知症の発症や進行を遅らせる可能性がある習慣は、『30分程度の昼寝』『過剰飲酒を控える』『腸内環境を整える』『よく笑う』『喫煙はNG』『肉を食べる』『脳骨筋トレーニング』です。

 僕がいちばんお伝えしたいのは、脳骨筋トレーニング。このトレーニングは骨、筋肉、血管、脳を一度に鍛えることができます。3分ゆっくり歩いて、普段の早歩きより少し速いペースで3分歩くを繰り返すインターバルウォーキングです。

 このセットを1日5回やれば30分歩くことになります。できれば背筋を伸ばして腕を振って太ももを高く上げて歩きましょう。

 さらに友人や家族と一緒におしゃべりしながら歩くと、さらに脳に刺激を与えることができます。

 簡単だと思った方も多いと思いますが、毎日やることが大事。習慣化するためにいちばん大切なのは、すぐにできる簡単なことなんです。1週間、2週間やっただけでは何の効果もありません。簡単なことを長く続けてください。習慣化すれば認知症になりにくくなります。

 ただ生きるのではなく、元気に生きていただくのが僕の願いです。100歳でも寝たきりじゃなくて100歳でも元気でいることを目指して、ぜひ習慣化してほしいと思います」

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【写真】日本最高齢入居者がいる施設長・柴谷匡哉さん
柴谷匡哉(しばたに・まさや)1968年、大阪府八尾市生まれ。神戸大学大学院経済学研究科修了。元大阪府議会議員、税理士、行政書士。大学生のときに選択科目で社会福祉の授業を取り、実習のため老人ホームでボランティアを経験。税理士を目指しながらも社会福祉にも興味を持つように。27歳のときに福祉の世界へ。

(取材・文/花村扶美)