【メンタル・心の健康】悩む暇があるのなら何げない日常に感謝を
ストレスでイライラ、人に言われた嫌な言葉が頭から離れず、どうせ自分は不幸だ……と、悩んでばかり。思い当たる節はないだろうか?
「そんなのはね、結局暇な証拠です。集中すべきなのは今の自分。やるべきことは毎日次々起きるわけですから、行きすぎた想像は捨てて、目の前のことだけに意識を向けたらいい」。平井住職が淡々と語る。悩むのは、余計なことに心を奪われているからだという。
心に悪い念をため込まない工夫をしていると話すのは藤原住職。「夜のお経の後、自分がお世話になった人たちの名前を心の中で読み上げ、感謝をする時間を設けているんです」
おかげで心がさわやかで温かくなり、自分の人生の大切さも再認識できるのだそうだ。早島住職は、朝7時に『ヘルシーテンプル』という瞑想のオンライン配信をコロナ禍になってから続けている。
「これはプロ監修の体操と瞑想に加え、身近な出来事への感謝を言葉にするワーク。参加者からは、晴れやかな気分になると言っていただけます」
また、呼吸の重要性も早島住職からのアドバイス。
「リラックス時の呼吸は深く長いのが特徴。これは瞑想と同じです。自分の心を表すバイタルサインとして、日頃から呼吸を意識するのもいいと思います」
現代人のストレスを懸念するのは泰丘副住職だ。
「超高度情報化社会で、皆自分の評価に固執しがち。しかも、それがすべてだと思い込んでしまうんです。アニメ『一休さん』の『あわてないあわてない、ひと休みひと休み』というのは実は禅の教え。心のアンテナを内側に向け、自分をよく見ることが大事なんです」
【ドクターのコメント】
ストレスや緊張をほぐすには、副交感神経の活動を高めること。その代表は、酸素を取り入れながらじっくり行う「有酸素運動」です。ウォーキング、ジョギング、ストレッチやラジオ体操なども、心と身体をリラックスさせる効果があります。腹式呼吸をしたり、ぬるめのお風呂につかるのも良い。もちろん坐禅に挑戦するのもグッド。
悩みをためず、ひたすら目の前のことに集中するのも長生き効果アリ。実は「人生に前向きに取り組んでいる」と回答した高齢者は、脳梗塞の発症率が半分であるというデータもあります。人生に目的を持っているだけで、死亡率も低下してしまうんです。