治療を開始したとき、卵胞はまだ残っていた
千種 その2つの違いは、どうすればわかるのですか?
西川 うまくいくかいかないか、でしかわからないです。治療を開始する時点では判断できません。
千種 AMH※1の検査でもわからないのでしょうか?
※1 AMH(アンチ ミューラリアン ホルモン)。卵子の発育過程で卵胞から分泌されるホルモン。卵巣内にどれくらい原始卵胞が残っているかの目安になる
西川 どちらの場合でもホルモンの値が低いから、わかりません。
千種 そうなんですね……。今考えてみると、私は前者だったのかもしれませんね。
西川 24歳の時から通院されていた病院では、具体的にどんな治療を?
千種 先ほどお話しした、ホルモン補充をして生理を起こす治療です。
西川 血液検査は?
千種 そこはあまり覚えていないのですが、そんなに踏み込んだ治療はしていませんでした。
西川 生理不順に対する一般的な治療だけということですね。エコー検査はされました?
千種 卵胞があるかどうかを見たか、ということですよね。エコーは見たかもしれないけど、その時に(卵胞が)あると言われたかどうか、よく覚えてません。でも、病院を変えて後からカルテを取り寄せてみたら、当時、卵胞があることが確認されてはいました。
卵子凍結を目指して26歳で妊活を開始
西川 通われていたのは、当時お仕事をされていた青森のクリニックですか?
千種 いえ、埼玉県にある実家近くのクリニックです。そこに通っていた期間がいちばん長いですね。その後仕事で青森に移り、青森では2つのクリニックに通いました。
西川 では、そこで早発閉経と診断されたと。
千種 青森の2軒目のクリニックで“たぶん(早発閉経)だろうけど、うちでは治療ができない”とのことで東京の聖マリアンナ医科大学さんを紹介されました。
西川 それは不安でしたよね。
千種 よくわからない、という気持ちのほうが強かったです。不安もありましたけど、青森のクリニックでは、妊娠は無理ですということまでは言われませんでした。
なので、ショックを受けたという記憶はなくて、まずは治療のスタートラインに立ちたいという気持ちがいちばんでした。
西川 早発閉経と診断されてから、不妊治療に取り組まれたそうですが、具体的にはどんな治療を?
千種 '16年から27歳の時に始めたのですが、卵子を採卵しなくてはいけないので、ホルモン注射を必要な時に自分でして。そして1週間に1度、通院して血液検査。卵子が育っている状態のホルモン値になっているかをチェックして、高くなっていればエコー検査で卵子があるか見て、の繰り返しでした。