目次
Page 1
ー FC店のほとんどが赤字
Page 2
ー 報道後は社内で犯人探しも
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ー 現行オーナーへの見せしめとしての裁判

 

 私たちの食卓に日常的にのぼる食パン。身近な食品だが、高級食パンブームの先駆けとなり、有名人にもファンが多い『乃が美(のがみ)』で今、異変が起こっている。

「『乃が美』のフランチャイズオーナー(以下、FCオーナー)たちが、本部にロイヤリティの引き下げを申し入れていることを『文春オンライン』が報じました。コロナ禍の影響から売り上げが低迷し、ロイヤリティを支払うために借金をするオーナーがいるというのですから、衝撃でした。最近では、店舗の閉店が相次いでいます」(経済誌編集者)

FC店のほとんどが赤字

『乃が美ホールディングス』は、2019年に投資ファンド『クレアシオン・キャピタル』と資本提携し、上場を目指していた。ロイヤリティを下げれば本部の収益が減少し、上場に差し支えるとして、頑なにFCオーナーたちの要望に応じなかったというのだ。

 ビジネスモデルとして、『乃が美』本部とFCオーナーは両輪の関係であるはず。FCの収益が下がれば、ロイヤリティの支払いも滞り、閉店へ。これが続けば、本部の収益も減少してしまう。

 現役のFCオーナーのA氏が、匿名を条件に『週刊女性PRIME』の取材に応じてくれた。

「高級食パンブームのときは、売り上げはとてもよかったですよ。いい思いをさせてもらった、というのは事実です。しかし、ブームが去った2019年ごろから売り上げが落ち、赤字が続くようになりました。全国でも有数の売り上げを出す店舗のオーナーですら“数店舗は黒字でも、エリア全体でみたら赤字”と話していたので、FC店のほとんどが赤字のはずです」

 と、淡々と話す。

『乃が美』の商品ラインナップ(公式ホームページより)
『乃が美』の商品ラインナップ(公式ホームページより)

  新型コロナウイルスが蔓延し、さらに売り上げは下降線をたどっていく。

そこからは、ずーっと赤字です。毎月300万円ほどの赤字の垂れ流しで……どうしようと頭を抱える日々でした。それでも売り上げの10%というロイヤリティ料は変わらず、引き下げてはもらえない。FC契約をやめようと思っても、契約期間中に解除をすると、違約金として1年間分のロイヤリティを支払う必要がありました。銀行から借金もしていましたし、違約金を払う余裕もなく、やめるにやめられず……。負債は2億円ほどに膨れました」(A氏、以下同)

 全国に200店舗以上も支店がある『乃が美』だが、直営店は16店舗のみ。

 近年では直営店の売り上げも減少していた。

「食パンブームが去った2019年ごろだったと思います。“テレビCMを出すためのお金が必要だが、本部だけでは厳しいから協力してほしい”と、1店舗につき毎月5万円を支払うよう求められました。全店舗数で割った負担分が5万円だと思っていたので、その話があった後に新しく店舗が増えたら、母数が増えるので減額されるのだと思っていました。それなのに新店舗ができても同じく5万円を徴収されるのです。CM費という名目の資金集めとしか思えません