自分の膣をもっと知れば日々が快適になります!
インスタグラムで日々、医学的に正しい“膣知識”を発信している櫻井さん。そこには、診察で感じた女性たちの膣への関心の低さがある。
「クリニックでは、いわゆる“ヒダヒダ”を切って小さくする婦人科形成手術もやっています。びっくりするのは、『自分ではあまりアソコを見たことがない』と話す患者さんが多いこと。クリニックに来るような、身体への意識が高い人でもそうですから、全体の傾向で考えると、さらに無関心な人が多いんじゃないか……と危機感を抱いたんです」
だが、膣の健やかさは、女性のQOLや健康を左右する。メイクするときに顔を鏡で見るように、膣をもっと見て・触れることが、“膣活”の第一歩だ。
「診察の際、ヒダヒダの間の“恥垢(ちこう)”や、トイレットペーパーで拭いたときのカスが付着している人も少なくありません。お風呂ではしっかりヒダヒダの間まで見て洗い、やさしく汚れを落としてください。
また、トイレで“小”をした後は、ゴシゴシと拭き取るのではなく、ペーパーを押し当てて水分を含ませる“押し拭き”をしましょう。汚れがあると、アソコのニオイの原因にもなってしまいます」
繊細なパーツこそ間違ったケアに注意
「もうひとつ気になるのが、医師の立場からは首をかしげたくなる“膣活”情報もたくさん出回っていること。そんな背景から、医学的な裏付けがあるケア情報を発信したいと思ったんです」
間違った“膣ケア”の例のひとつが、膣洗浄だ。
「シャワーやビデはもちろん、専用のアイテムであっても膣の中まで洗うのは避けてほしいんです。膣の中では、善玉菌と悪玉菌が絶妙なバランスを保ち、善玉菌が膣の中を酸性に傾かせることで、細菌が繁殖しない状態をつくっています。洗浄してしまうと、そのバランスが崩れてしまいます」
お風呂でのデリケートゾーンのお手入れには、万が一、膣内に入っても、常在菌のバランスを崩しにくい弱酸性の専用ソープを。
この他に避けたいのは、締め付けが強い矯正下着。血流が悪くなると細胞に栄養が届きにくくなるので、膣内のコラーゲン生成能力も衰え、緩みの原因になる。
また、アンダーヘアの剃毛(ていもう)は、カミソリによる傷で雑菌が入ってしまうケースもある。頻繁に剃(そ)る必要があるのであれば、専門のクリニックでの脱毛がオススメだ。
「今は将来の介護を見据えて、アンダーへアの脱毛を選択する人も増えています」
“今さらアソコに手をかけるなんて”と思う人もいるかもしれないが、櫻井さんはこう言う。
「続ければ、緩みもカサカサも確実に変わっていきます。何歳からでも効果がありますよ!」
櫻井さんおすすめ!膣にイイ生活
●トイレの“小”の後は押し拭きする
●下半身を動かす、鍛える
●清潔な手で膣をマッサージする
●お風呂ではアソコを目で見てやさしく洗う
●冷やさない、締め付けない下着をつける
教えてくれたのは……櫻井夏子さん ●整形外科医・美容外科医。NEXUS CLINIC勤務。'14年東京女子医科大学卒業。テレビ出演のほか、『お皿変えるだけダイエット』(日本文芸社)などの著書も。自身のインスタグラム@dr_natsu_beautyでフェムケアについての情報を親しみやすく発信。
〈取材・文/仲川僚子〉