食費はさほど削らず健康であることを優先
無駄を見直し、お金の使い方に慎重になっていったことで、「自分にとってここは譲れない」と思えるものが明確になっていった。
yamaさんの場合、洋服やおしゃれにこだわりはなく、いつも同じような服でも気にならない。けれども健康のための食材や大好きなアップル製品はケチりたくないと自覚した。
「食事は“玄米菜食”。肉や魚は食べず、玄米と野菜、大豆を中心とした食事にしています。月の食費は約2万2000円で、もう少し抑えたいところですが、安価な食材よりも健康によいものを選びたいので無理して安くしようとは思っていません」
その食事内容はYouTubeでも紹介されていて、豆腐のホワイトソースグラタン、玄米カレーチャーハンや豆乳ケーキなど、健康を配慮した品ばかりで見るからにおいしそう。視聴者からも「菜食のスペシャリストですね」「お店が開けそう!」など、多くの感嘆の声が上がっている。
「老後生活を送るうえで、健康は最も大切。医療費がかかれば家計は圧迫されるし、心身共に豊かな日々が送れなくなります。健康食材は少し割高ですが、私にとっては無駄な出費ではないんです」
おかげで健康診断はオールA。身体はすこぶる調子がいいという。
「食材は古いものから使う、余った食材はレシピサイトなどを参考にしてすべて使いきるなど、無駄を出さない工夫はもちろんやっていますよ」
積極的に身体を動かすことも、節約につながっている。
「出かけるときは路線検索をして、いちばん安い運賃をチェック。最寄り駅だと地下鉄とJRを使うけれど、ひと駅歩けばJRだけですむ場合は、迷わずひと駅歩きます。目的地が駅から遠くても、タクシーなどは使いません。歩けば出費は減るうえ、健康が手に入るのですから」
また、部屋が汚れていたり、散らかっていたら、気づいたその場で掃除をする。
「おっくうだなと思っても後回しにしないで、すぐにやります。汚れがたまらなければ、小掃除でいいので手間も洗剤も少しですむ。部屋がいつも整理整頓されていると、思考もすっきり。やるべきことが明快になり、生活の無駄も見直しやすくなります」
お金を使うときは残りの人生を意識して、「本当に必要か」を自問自答するそう。
「それは決して窮屈ではなく、自分に合った暮らしを知ること。お金は少ないですが心は以前より豊かになったと感じています」