アルバイトも不採用、しかし光明が!
老後生活の頼みの綱といえば年金。少しでも受給額を増やすため、yamaさんが検討しているのが「受給年齢の繰り下げ」だ。
「年金は原則65歳から受給できます。希望すれば受給を1か月単位で遅らせることができます。70歳から受給すれば40%、75歳から受給すれば84%も増額できます。もちろん長生きする保証はどこにもないけど、なるべく受給開始を遅らせたいと思っています」
そのためには少しでも長く働いて収入を得なければ……。yamaさんはアルバイトを始めようと、求人が出ていた近くのスーパーに問い合わせをしてみた。
「電話口では『人がいなくて大変だから、すぐにでも来て』と言われたんですが、いざ面接に行ってみたら不採用でした。驚きと同時に、『私って相当ダメなんだ』ってかなり落ち込みましたね」
その後はハローワークのシニア相談窓口へ行き、キャリアカウンセリングを受ける。紹介された会社には、正社員でも契約社員でも、手当たり次第に応募書類を送っていった。
「けれどもことごとく通らないんです。面接にすら行きつかない。シニア女性の就活は、本当に厳しいんだと改めて痛感しました」
そんな時だ。以前に投稿していたYouTubeの動画が徐々に視聴回数を増やし、あれよあれよと登録者数が増えていった。
「『どうせ誰も見ないだろう』って自分の鬱々とした気持ちをまとめた動画でした。視聴者を引きつけるコツなんて考えもしない動画だったので、正直、うれしいと同時に驚きました。少ないですが収入を得ることもできたんです」
動画を視聴した人からは、「つらい状況にいたけど元気をもらった」「励みになった」などのコメントが寄せられ、そのひとつひとつを読むだけでyamaさんも元気をもらったという。
もともとアップル製品が好きで、アップル社が開催している“Today at Apple”で動画編集を学ぶなど動画編集は大好きだった。その後も、家族や友達にも言えないような鬱々とした気持ちや日々の気づきを動画にまとめて投稿していった。
「気づいたら視聴登録者が2万人を超えていました。今では動画作りが私の生活の中心になっています。整理解雇されて4年、やっとやりがいを感じる仕事に出会えた気がします」
今は開業届を出し、本格的にユーチューバーとして活動している。
「とはいえYouTubeだけの収入に頼るのはリスクです。今後は小さくても複数の収入源を持つことが目標。何をするかはまだ模索中です」