太陽熱で作るホカホカご飯

 フジイさんのは、自宅の蓄電器にためている電気のみ。

 日頃から、自分で生み出せる量を超える電気は一切使わない。そのため、テレビなどといった生活になくても困らない家電は基本的に処分した。

 加えてエアコン、ホットカーペット、電気ストーブなどの暖房家電も、電気の消費量が大きいのですべて手放したというから驚きだ!

「照明器具も、今使っているのはすべて省エネなLED。蓄電器からチャージして使えるよう、家電も充電して使えるものがほとんどです。

 あとは使い勝手のいいキャンプグッズや災害用ランタンなどを普段から使っています。ちなみに電池もすべて『充電池』。繰り返し使えて汎用性も高いです」

 省電力を徹底したうえで、電気を使わず済むところは他の手段で間に合わせる。なかでもよく使っているのは「ソーラークッカー」。太陽光を反射板で受けて1か所に集め、その熱を利用して料理を作る仕組みだ。

「例えば、キャンプ用の飯ごうの中にお米を入れ、その飯ごうをステンレスボウルの中に入れて、熱が逃げないようにガラスの蓋でカバーします。これにお日さまの光を集めて加熱するんです。

 ステンレスボウルがない場合には、銀色のレジャーシートで三角のコーナーを作っておき、金属の底上げ網の上に飯ごうを置いておけば熱が集まりやすい。晴天時には2~3時間ほどで、炊飯器さながらにホカホカのご飯が炊けますよ」

 他にも、黒く塗ったペットボトルに水を入れて日当たりの良い場所に転がしておくだけで、40度くらいのお湯が作れる。これで冬でも給湯代が節約できるという。

 また、暖房代がかさむ冬場には、なるべく温度を逃がさない工夫をしている。

「寒かったら重ね着がキホン。加えて、冬場は窓から熱エネルギーが逃げやすいので、窓に断熱や保温できるものを設置しておきます。結露防止の窓フィルムや梱包用の緩衝材を張るだけでも効果アリ。

 わが家では、アルミのレジャーシートやキルトの布地にカーテンクリップをつけてカーテン代わりにしています。暖かいだけでなく、窓も結露しにくくなりました」

 ガスも要領よく使って節約を徹底。

「わが家は電気代はゼロでも、お風呂の給湯と暖房、台所のコンロは都市ガス。昨年からガス料金が高くなって家計にも響くので、使用量には気をつけています」

 お風呂も基本的にシャワーのみ。冬場は身体が冷えるのを防ぐため、日中の暖かいうちに短時間で済ませている。

 料理のときは「鍋の二段活用」。汁物を鍋で温めるとき、鍋の上にステンレスの平ざるを重ね、その上に別のものを乗せて一度に両方を温めてしまうというテクニックだ。

「同じ要領で、お湯を沸かすヤカンの蓋を開けた上にざるなどを置いて同時に蒸し器として使うのもおすすめ。かたくなったパンなどをちょっと温めるには便利です」

 自分で生み出した電力は愛おしいから、大切に使いたくて……とニッコリ。エコライフにハマりすぎて、もはや不便とも感じないという。