ガラスのハートの持ち主だと思って注意しよう
「家庭や学校での教育のあり方も変わり、叱られることに免疫がない人も多い世代。基本的な態度さえしっかりしていれば怒られないというスマートさを持っている一方で、軽い注意や指導を“責められている”ように感じてしまうガラスのハートの持ち主でもあります。心の壁を越えて踏み込まれたと感じたときに反論してしまう人もいるため、声のかけ方には注意が必要です」(衣輪さん)
遅刻や無断欠勤、就業中の居眠りといった問題についての悲鳴も多数。中には、
「周りに上司がいても平気で居眠りをする。何度注意しても直らず、一度病院で診察を受けるように伝えたところ、なぜか整骨院に通い始めた」(43歳・商社勤務・女性)
といった驚きの事例も寄せられた。
「個人の性格によるところも大きいですが、社会常識から外れることがあまり怖くないという世代的な特徴がありますね。会社の歯車として順応しようという意識は薄く、出世するよりもプライベートの時間を大事にしたいという人も多い。さらに、Z世代はSNSなどを通じてさまざまな“成功”のモデルケースを知っています。会社になじめなければほかの道を進めばいいというバイタリティーもあり、そういう強さがモンスター的に見えてしまうことは多そうです」(衣輪さん)
「敬語が使えない」「上司にタメ口」といった言葉遣いに対する苦言は、いつの時代も“新人あるある”だ。
「お客様にタメ口で話しかけたり、上司に対してプライベートのことを根掘り葉掘り聞いてくるなど、どこか友達感覚で接してくる」(37歳・不動産業・男性)
と、職場での距離感が近すぎることに驚いたというエピソードも。
「Z世代の親は、かつて“新人類”と呼ばれていた世代。親子でも友達のような関係を築いてきた負の側面なのかもしれませんが、優しい大人たちに育てられたZ世代が年齢差や上下関係などに無頓着になるのは、ある意味では仕方ないところもあります。
一方で、大人を信用していない部分もあり、従うべき上司を値踏みする賢さも持っています。能力主義的な考え方が根付いているので“年上だから従え”は通用しません。自分たちの価値観を問答無用に押しつけようとせずに、上司としての能力をきちんと示しながら対応することが必要となるでしょうね」(衣輪さん)