治療説明が不十分ならやめる勇気も必要

 シミの種類は主に4つ。紫外線のダメージが蓄積されたことによって発生する老人性色素斑。ニキビ・湿疹などの炎症が痕となる炎症後色素沈着。ホルモンバランスの乱れで浮き出る肝斑。幼少期から現れるが、紫外線でも悪化するそばかすだ。

 シミの原因は、さまざまあり、それらが複合的に作用。こうした多岐にわたるシミそれぞれに適切な治療が必要だが、それを見分けるのは、シミ治療に習熟した皮膚科専門医でないと難しいという。

 トラブルの多くは、レーザー光線の照射後に起こる一過性の色素沈着だ

「照射後は、一時的に色素増強が起こります。半年程度で消えていきますが、事前に説明がないと、治療後にシミが濃くなったのでは、と不安を訴える患者さんも少なくありません。

 また、シミの代表格、老人性色素斑は紫外線で細胞に遺伝子異常が生じた状態ですから、一度消えたように見えても再発する場合もあります」

 これらを、治療前にきちんと説明しているかどうか、患者さんが納得しているかどうかが問題だと慶田先生。

 クリニックを選ぶ際は、皮膚科専門医の資格を取得しているかなど、しっかりと医師の経歴を見ることがポイント。

「ベストは、皮膚病のスペシャリストである日本皮膚科学会認定皮膚科専門医です」

 2023年3月3日現在、全国の皮膚科専門医は6947名。日本皮膚科学会公式ホームページには専門医の実名が公開されており、医師の名字や地域別に検索できるので参考にしたい。

「クリニックのHPには、経験豊富な医師が名を連ねていても、実際には医師免許がないカウンセラーが施術内容まで決定することもあります。

 医師の判断なしにカウンセラーの治療計画を受け入れると適切な治療が受けられないこともあるため、説明に納得がいかなければいったんやめる勇気も必要です」

クリニックの上手な選び方5か条
・安すぎる治療は慎重に
・クーポン内容が自分のシミ対策に合っているかの確認を
・カウンセラーの話ではなく医師が治療方針を決めているかどうか
・皮膚科専門医が常駐
・初診で回数や費用などの説明が明確