目次
Page 1
ー 血液型ごとに細胞は異なっている ー 病気のリスクを下げるための行動を
Page 2
ー 日本人の死因のトップ「がん」
Page 4
ー 日本人の死因第2位「心臓病」
Page 5
ー 日本人の死因第4位「脳梗塞」 ー 高齢者の死に直結「肺炎」
Page 6
ー 増加を続ける脳の病気「認知症」 ー 患者数が50年で35倍「糖尿病」
Page 7
ー 加齢とともに増加する「高血圧」 ー がんと生活習慣病にかかりやすいA型 ー 消化器系の病気に弱いO型 ー 肺疾患など病気の数が多いB型 ー 重篤になる可能性が高いのが懸念AB型

 近年、血液型により病気のかかりやすさに違いがあることがわかってきた。

「世界中の科学者が長年研究を続けてきたなかで、2000年代以降さまざまな病気と血液型との関連が明らかになってきています」と語るのは、血液専門医の久住英二先生。

血液型ごとに細胞は異なっている

「私たちがよく知るA型、B型、O型、AB型という4つの血液型は、血液中の細胞成分“赤血球”の分類法のひとつです。それぞれの血液型は、赤血球の表面にある血液型物質『抗原』によって決まります。抗原は“糖鎖”とも呼ばれ、赤血球だけでなく消化器や生殖器、肺、腎臓、膀胱、皮膚など、全身のあらゆる臓器細胞の細胞膜に存在しています」(久住先生、以下同)

 つまり、血液型ごとに赤血球を含めた身体の細胞がすべて異なるということ。

血液型ごとに細胞の性質が違うため、病気になりやすさにも差が生じてくるのです」

病気のリスクを下げるための行動を

 では、血液型ごとの特徴はどんなものだろうか。

血液型は『ABO式血液型』の他にもたくさん分類法があり、Rh式、Glob式など、30種類以上にもなるといわれています」

 細かく言えばA型の人の中でも、いくつもの血液型に分類されるため、ABOだけで特徴をあげるのは難しい。

「ただ、血液型別の傾向があります。例えば新型コロナウイルスでは、A型の人が特に重症化しやすく、O型の人は重症化しにくいという傾向がありました。

 現段階でわかっているのは、この血液型だからこの病気になるということではなく、“病気ごとの患者数に血液型でばらつきがあった。それは血液型が関係しているのだろう”ということです」

 近年は、生化学や遺伝子レベルの研究が進み、血液型と病気に関連があることが次々と解明されつつある。

「もちろん“かかりやすいと判明している”だけで、生活環境や習慣によって、誰もがすべての病気に罹患する可能性はあります。しかし、エビデンスのある結果をもとに、血液型を取っかかりとして、病気のリスクを下げるためのアクションにつなげていただけたらと思います」

《日本の血液型人口の割合》
A型 38%
B型 22%
O型 30%
AB型 10%

◆ABO式血液型の違いとは……
ABO式血液型は、赤血球の表面にある血液型物質(抗原)によって決まる。この抗原は「糖鎖」とも呼ばれ、基本形はO型の糖鎖(H抗原)。A型はそこに“N-アセチルガラクトサミン”という単糖がつき、B型は“ガラクトース”という単糖がつく。AB型の人は、A型の糖鎖とB型の糖鎖の2種類が細胞膜上に存在する。

血液の構造
血液の構造