気になる2作目は『 Dr.チョコレート』(日本テレビ系、放送終了)。利き腕を失った元医師“Teacher”こと野田哲也(坂口健太郎)と、天才的なオペ技術を持つ10歳の少女“ Dr.チョコレート”こと寺島唯(白山乃愛)がタッグを組み、ワケあり患者を救いつつ、2年前の爆破事件を追う。

秋元康ドラマは尻すぼみになりがち?

「ふたりには、医療スペシャリスト集団の“チョコレートカンパニー”がいて。古川雄大さんや小澤征悦さんなどうまい人が多くて。それぞれのテーマカラーの洋服を着て、楽しそうではあったんですけどね」

 吉田さんは、日本テレビのドラマはヒロインの洋服を含め、スタイリストがすごくいいと評価。

「だけど、そもそも闇医者で、10歳の子が難手術をして大金をせしめるって荒唐無稽にもほどがありますね。リアリティーのかけらもないし、共感ポイントゼロ。また闇医者ドラマは、1月期に『Get Ready!』(TBS系)もあったので既視感も」

 唯役の白山乃愛ちゃんはとても可愛いくてうまいが、

「これがもし高校生くらいだったらサヴァン症候群とか、メンサ入りの頭脳とか、ファンタジーながらもリアリティーを持たせられたと思うんですけど」

 さらに吉田さんは、本作の原案が秋元康であることにも注目。

「『あなたの番です』( '19年、日本テレビ系)、『ダ・カーポしませんか?』(1月期、テレビ東京系)などで殺し合いをさせすぎたから、今度は救う方向をひらめいたんじゃないですか? ただ普通に救っても面白くないから子どもで……みたいな。とにかく時代を読む人なので、ひらめきはある。だから第1話は面白いんですけど、尻すぼみになっていくことが多いんですよね

 3作目として挙がったのは『日曜の夜ぐらいは…』(日曜夜10時〜朝日放送・放送終了)。

「私はあの女子3人が生かされていない気がしちゃいますね」

 車椅子生活の母親を介護しながらファミレスで働く岸田サチ(清野菜名)。元ヤンのタクシー運転手・野田翔子(岸井ゆきの)。祖母とふたり暮らしで工場勤務の樋口若葉(生見愛瑠)。それぞれ鬱々としたものを抱え、生きがいを見いだせずにいた。