5位は学園ドラマというよりは恋愛ドラマの不朽の名作『花より男子』('05年、'07年 TBS系)。「イケメンに囲まれる学園生活。女子の夢が詰まってました」(東京都・37歳女性)とキュンドラマの流行を作ったとリスペクトの声が多かった。
「井上真央さん演じる貧乏なヒロインが松本潤さん、小栗旬さんらイケメン4人組に囲まれて……って設定だけ見ると本当に古典的。ポップに描いたシンデレラですよね。おバカだけどおとこ気があってチャーミングな王子様という道明寺が松潤にピッタリで、こんなの女子は絶対キュンキュンしちゃう(笑)。
このドラマのヒットをきっかけに『花ざかりの君たちへ~』などのイケメンドラマが大流行。華やかな学園ドラマを代表する作品です」(カトリーヌさん)
現在の主演女優クラスがゴロゴロ
6位は『女王の教室』('05年 日本テレビ系)。天海祐希演じる黒ずくめの小学校教師が生徒たちを強権的に指導し、クラスを支配していくという問題作。当初は批判的な意見も多かったが、話題が話題を呼び最終回の視聴率は30%を超え、初回から倍増した。
「規格外の教師が熱血ではなく冷血であるという学園ドラマの新たなスタイルを確立した作品。過激すぎるその表現は再放送すら難しい。生徒役が志田未来さんなんですけど、1話でトイレに行かせてもらえずお漏らししちゃう……見ていて衝撃を受けました。
社会の歪みに対抗するには自分が強くなければ駄目だというテーマがあって、黒装束の天海さんが能面のような顔で言う『いいかげん目覚めなさい』という決めゼリフは強烈でした」(カトリーヌさん)
さて、'10年以降に目を転じると、『女王の教室』の流れをくむ問題作『3年A組―今から皆さんは、人質です―』('19年 日本テレビ系)が第1位に。菅田将暉演じる担任教師が生徒全員を人質にとって教室に立てこもるというとんでもない設定で、サスペンス風に展開。
「ネットでの誹謗中傷など現代的な問題を取り上げており、とても考えさせられた」(宮城県・59歳男性)と強いメッセージ性に感銘を受けた視聴者も多かった。
「メッセージ的には『女王の教室』同様、『自分の頭で考え、困難に向き合う力をつける』というものですが、それを伝える方法がさらに過激になっている(笑)。それって10代が抱える問題自体もSNSやネットの普及によって複雑化しているのが理由なんでしょうね。菅田さんの演技が本当に素晴らしくて、あらためて底力を感じました」(カトリーヌさん)
生徒役の配役にも力が入っており、特に女子生徒は永野芽郁、川栄李奈、福原遥と、のちの朝ドラヒロインが3人いたほか、上白石萌歌、今田美桜、森七菜などと現在の主演女優クラスがゴロゴロ。
「若手俳優の青田買いも学園ドラマの楽しみの一つですが、男子にも神尾楓珠くんとかがいたし、この作品は次元が違いました(笑)」(カトリーヌさん)
2位も異色作の『今日から俺は!!』('18年 日本テレビ系)がランクイン。「くだらなすぎて、ただただ笑えた」(神奈川県・58歳男性)とのコメントが代表するように、こちらは福田雄一監督のこってこてのコメディーだ。
「今は街で見かけなくなったヤンキーですが、ドラマや映画では大人気。この作品は'80年代前半に設定を変え、ヤンキー自体をパロディーにしている点が面白かった。清野菜名さんや橋本環奈さんの聖子ちゃんカットも可愛かったし、登場人物が皆マンガ的で笑えました。伊藤健太郎さんの不祥事さえなければ絶対シリーズ化できたのに、残念……」(カトリーヌさん)