取材時に聞いていた情報を基に、静岡市内にある浜崎さんが住んでいたマンションを訪ねたが、インターホンを押しても反応はない。ポストには、郵便物が積み重なったままだった。
そこで隣の部屋に住む90代の女性に話を聞くと、
「浜ちゃんは亡くなりました」
その言葉に記者が絶句していると、女性はこう話を続けた。
「あるときから浜ちゃんの姿をパッタリ見かけなくなったんです。ひとり暮らしだったから、何かあったのかと心配で玄関前から“浜ちゃ~ん、いるの~?”って声をかけてドアポストをのぞいたら異臭がしたの。それで警察に連絡して、警察官が中に入って確認すると亡くなっていたんです……。それが、3か月ほど前のことだったはずです」(隣の部屋に住む女性、以下同)
そして、こんな思いを語る。
「浜ちゃんは、電話などの家電の調子が悪いときも頼んだらすぐに直してくれたし、“おばちゃんは人を信じすぎなんだよ。悪いヤツにだまされるから気をつけなきゃダメだぞ”って、いつも私のことを心配して気にかけてくれていました。優しい人だったんです。何で私より先にいなくなっちゃうのかな……。もっと浜ちゃんと話がしたかったよ」
女性は、そう静かに語ると、うつむいた。
浜崎さんと『花屋のとくちゃん』との最後の会話
浜崎さんは作家として活動していたほか、さくらさんとの思い出や静岡市内の情報を伝えるブログを運営していた。連日、記事が投稿されていたブログは、2月27日から更新は止まったまま。浜崎さんの足跡は、同月28日の午前8時に、ブログの読者に向けてコメント欄にメッセージを投稿したのが最後だ。
同じく『ちびまる子ちゃん』に登場するキャラ『花屋のとくちゃん』のモデルである杉浦徳三さん(57)は、その3日前に浜崎さんと酒を酌み交わしていた。
「その日は、いつも通りよく話していましたし、ふたりでたわいない話をしただけで、特に変わった様子はありませんでした。はまじが亡くなったことを知ったのは6月です。驚きましたよ」
知ったきっかけは?
「ブログを通じて知り合ったという、はまじの知人が訪ねてきて教えてくれました。はまじからは、2月27日に“増税ばかりしやがって!”と、岸田文雄首相を批判するメッセージが送られてきて、その後に少しやりとりしたのが最後です。その後、音沙汰がなかったので3月9日にメッセージを送りましたが返事はないままでした。こちらから連絡しても返信がないことはあったので、まさか亡くなっているなんて想像もしていなくって。57歳で逝くなんて早いよな、早すぎるよ……」(同・杉浦さん)