できる限りの愛情を注ぐ韓国では当たり前の子育て

「女の子が生まれたらお嫁に行くまで、私が全部してあげようと決めていて、実際そうしてきました。例えば食事のときはスプーンにご飯とおかずをのせて口まで運んであげる。それが習慣になっていて、今もスプーンを差し出すとあーんと口を開きます。韓国では当たり前の光景だけど、日本では驚く人が多いようです。

 娘は小さいころから食べるのが大好きな子で、今も『美味しいものを食べているときが一番幸せ!』とよく言っています。

 ただ、赤ん坊のころはもうムチムチで、近所のおばさんから『食べさせすぎじゃない?』と怒られたことがあるくらい。「これはマズイ!」と思ったのは、夫の実家に初めて行ったときのこと。義母はじめ親族そろって堂々たる恰幅で、『娘もああなるのでは?』と危機感を覚えた。それからは栄養バランスに気を配り、お菓子はなるべくあげないようにしてきました。そのかいがあったのか、小学校に上がるとすっと身体が縦に伸び出して、高学年になると160㎝の私を追い越し、今では170㎝もあり、なかなかのスタイルです」

 娘がしたいことは叶え、欲しいというものは与えてきた。しかし親として娘の望みを却下したこともある。

「中学のとき、娘が『タトゥーと鼻ピアスがしたい』と言い出したことがありました。娘の通う中学はアメリカンスクールで、タトゥーもピアスも特に問題ありません。実際、娘は当時すでに耳にピアスをしていて、それはまだ彼女が赤ん坊のころ、私が宝石屋さんで開けてもらったものでした。けれどタトゥーに鼻ピアスとなるとまたイメージが違います。私は娘の訴えを退けました。

『いつか社交界にデビューすることもあるかもしれないでしょ?(笑)』と諭すと、娘も『なるほど!』と納得したようです。ただ「かわりにヘソピアスがしたい」と言います。当時はヘソ出しファッションが流行っていて、娘も憧れがあったのだと思います。私も『おヘソなら』と許しています。

 娘にはありったけの愛情を注いできました。でも私も怒るときは怒ります」(次回に続く)