遺伝的に乳がんになりやすいか、セルフチェックシートで確認
「自分がHBOCかどうかを知ることはとても重要。HBOCと診断された場合、発症リスクの高いがんの予防や早期発見するための検査を受けることができます。HBOCの特徴に合わせた予防法や定期検査、発症後の治療をすることで、がんで亡くなる可能性を減らすことができるはずです」
とはいえ自分がHBOCだと気づいていない人はまだまだ多い。
「特に男性は、自分が遺伝性の乳がんの疑いがあるとは思わない人がほとんどですから、女性より気づきにくいと思います。男性にとっても自分がHBOCかどうかを知ることは、発症リスクの高いがんの早期発見に役立つので、大事なことだと思います」
自分がHBOCの可能性が高いかは、次のセルフチェックで確認できる。
「一つでも当てはまる人は」HBOCセルフチェック
Q.あなたの両親、兄弟、祖父母、おじおば、おいめいに、以下に当てはまる人はいませんか?
□卵巣がんになった人がいる
□乳がんになった人で、下記に当てはまる人がいる
・45歳以下で診断された
・60歳以下でトリプルネガティブ乳がんと診断された
・2個以上の原発性乳がんと診断された
・男性で乳がんと診断された
上記にひとつでも当てはまる人は、男性でも女性でも、HBOCの可能性がある。気になる人は、まずはその血縁者にすでに遺伝子検査を受けたかどうか、聞いてみてはどうだろう。その血縁者は保険診療で検査を受けられる可能性が高いので、もしまだ受けていない場合は検査をすすめてみるのもひとつの手だ。
「すでに亡くなっているなど、検査を受けたかどうか聞ける状況にない場合は、ご自身が検査を受けたほうがいいか、遺伝子診療科のある病院で相談してください」
有賀智之医師
がん・感染症センター都立駒込病院 外科(乳腺)・遺伝子診療科所属。日本遺伝性腫瘍学会理事。日本乳癌学会評議員・指導医・専門医。