各葬儀スタイルのメリット・デメリット
家族葬
家族のみ、親戚や故人の友人も含めるなど、定義が決まっていないため、さまざまな形で行われる。家族のみの場合、故人とお別れしたいという友人などの気持ちを酌みづらい。
一般葬
身内だけでなく町会や知人など広く訃報を知らせて行う。供花や香典も多くなるので、結果的に費用負担が少なくなる場合も。
直葬
火葬のみ行う。法律により24時間経過しなければ火葬できないので、1日安置の必要あり。読経などもないので、遺体の処分と感じる人も。
一日葬
通夜を行わず、葬儀・告別式のみ。1日だけですむため、遺族の負担が少ないが、費用が大幅に削減できるわけではない。
指南4:「お墓不要」が加速、跡継ぎがいらないお墓も
様変わりするスタイル
葬儀のスタイルも変貌しているが、今、お墓も変化の時。新たに購入したお墓の種類を調査したところ、半数以上が「樹木葬」。「一般墓」の購入は、ここ5年ほどで5分の1程度まで減少している。
「特に、おひとりさまは樹木葬、納骨堂といった永代供養の墓のほか、散骨を希望する人が多いです。親戚付き合いも希薄となり、子どもも減る一方の現代では“一般墓”が負担になるのではといった考えもあり、永代供養のお墓が主流になりつつあります」
しかし、自分が入るのだからと独り善がりで決めるのではなく、お墓のスタイルは生前に家族とよく話しておいたほうがよいと明石さんはアドバイスする。
今あるお墓をどうするかもセットで考えること!
「今まで保持してきた“一般墓”は、代々受け継がれてきたものなど、その家庭単独で簡単に決められるものでもありません。
過渡期であるからこそ、親族を含め子どもとの話し合いが必要です。また、安易に散骨を選んだ場合、心のよりどころがなくなったと悲しむ遺族もいます」
元気なうちに、今ある墓の状況を確認しておくことも重要。墓の祭祀承継者である場合は、そのお墓をどうするか考えておく必要がある。
お墓を継ぐ人が決まっているなら、墓地管理者の名称と連絡先、墓地規約の保管場所、年間管理料などを伝えておく。決まっていない場合は親戚に継げる人がいないか確認し、それでも継ぐ人がいないときは“墓じまい”も視野に。
「自分が亡き後の身内のつながりも考え、勝手に墓じまいを進めてはいけません。墓参りをする場所がなくなるということですから、親戚の意向を確認する必要があります」
また、ひと言に“墓じまい”と言っても、墓地内にある永代供養の墓に移したり、墓参りしやすい地区に遺骨の引っ越し(改葬)をするなど、さまざまなパターンが考えられる。費用も手間も大きく異なるため、一人で抱え込まず慎重に決めることが肝心だ。