8.大豆

 がん細胞の成長を阻害

がん細胞は血管を作り出す血管新生という働きを活性化させて成長しますが、イソフラボンの一種であるゲニステインは、血管新生を邪魔してがんの増殖を防ぎ、胃がん、大腸がん、卵巣がんの死亡リスクが50%前後低下したという報告も」

9.キャベツ

 抗がん成分「スルフォラファン」がたっぷり

「キャベツや芽キャベツといったアブラナ科の野菜には、植物が有害なものから身を守るために作り出すファイトケミカルが豊富に含まれます。その一種であるスルフォラファンには強力な抗酸化作用があり、がんの増殖や転移を抑える働きがあります」

10.海藻

 がん治療を強力にサポート

「昆布やわかめ、めかぶなど、ぬめりのある海藻類に含まれるフコイダンには、がん細胞が増えるのを抑える抗腫瘍効果や、がんの成長に関わる血管新生を阻害する作用が。さらに、がんと戦う免疫細胞の活性を高める効果もあります」

毎日の具だくさん汁物でがん進行せず

鳩原世津子さん(83歳)

 実際に、佐藤先生の患者さんの中に、ここで紹介している食材を日々食べて、がんの進行を抑えて元気に長生きをしている女性がいるという。

「およそ8年前にステージ3の膵臓がんがわかり、手術で膵臓を半分摘出しました。術後2年ほどして局所再発がわかったのですが、定期的な経過観察で、がんの活動性を示す腫瘍マーカーの値は年々下がっていき、現在まで元気に過ごしています。

 本人に聞いてみると、食事に気をつけるようになり、朝は毎日具だくさんのみそ汁を飲んでいるとのことでした」(佐藤先生、以下同)

 野菜やきのこ、海藻など、6~7種類の食材を入れて毎日飲んでいるそう。まさに“抗がんみそ汁”ともいうべきメニューだ。

「調理ができるだけ楽になるように、冷凍庫にはゆでてから凍らせたキャベツやブロッコリーなどを常備していると言っていました」

 がんに負けない食生活、ぜひ参考にしたい。