「いびきが大きい人」は心筋梗塞にご用心
心筋梗塞による死亡率は女性のほうが高いが、患者数自体は圧倒的に男性が多い。男性の心筋梗塞の原因でいま注目なのが「睡眠時無呼吸症候群」だという。
「睡眠時無呼吸症候群は寝ているときに呼吸が何度も止まる病気ですが、呼吸が止まって酸素不足になると、酸素を含んだ血液をより多く送り出そうとして心臓の負担が大きくなります。
それが繰り返されると心臓の機能は低下していき、心筋梗塞などの重大な病気を引き起こしかねません」
と言うのは、無呼吸症候群と循環器病との関係に詳しい末松義弘先生だ。
睡眠時無呼吸症候群はいま日本に2000万人近くいると考えられ、更年期を過ぎた女性も増えているが、多くは男性だ。
同居する家族から「いびきがうるさい」と言われたり、夜中に何度も目が覚めるなど熟睡感がない人で血圧が高めの人は“心筋梗塞予備群”と考えて要注意。
「一度、睡眠外来などへの受診をおすすめします」(末松先生)
末松義弘先生●日本初の循環器と無呼吸症候群の専門病院の開院に向けて準備中。著書に『いびき、無呼吸症候群に殺されない27の方法』(青志社)。
取材・文/志賀桂子