ジュースではなく、果物そのものを食べよう
また、すでにがんになった人のなかで、よかれと思って市販の100%フルーツジュースを飲んでいる人もいるかもしれないが……。
「がん診断後にフルーツジュースをもっとも多く飲んでいた患者さんでは、乳がんによる死亡リスクが33%増加していて、すべての死因による死亡リスクも19%増加していました」
フルーツジュースの果汁には、皮に含まれる食物繊維など、がんの予防につながる成分が取り除かれてしまっていて、ほぼ果糖のみ。それがいけないのだという。
「日本人を対象とした研究で週に1回果物を食べる人は、まったく食べない人に比べて胃がんの発生率がおよそ30%低いという結果が出ています。ジュースではなく、ぜひ果物そのものを食べてほしいと思います」
食事は365日、毎日の習慣。食材やメニュー選びなど、少し意識するだけでがんのリスクは変わる。食べすぎ注意な食材と上手につきあっていきたい。
がん専門医 佐藤典宏先生 産業医科大学第一外科講師。九州大学医学部卒。1000例以上の外科手術を経験し、日本外科学会専門医・指導医、がん治療認定医の資格を取得。著書に『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)など。
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