ガサガサしたり、つっぱったり、肌の悩みの根源ともいえる「乾燥」。乾燥対策として定番の“シートマスク”は、期間限定商品などが出るたびにSNSで話題になる人気アイテムだが、たっぷり水分を与えるほど肌によいという単純な話ではない。
シートマスクを長時間つけるのはNG
「シートマスクでもスチーマーでも、長時間水分を補給し続けると、肌の表面の角質がふやけてしまいます。ふやけた角質は一気に乾くため、そのときにかえって乾燥が進んでしまい逆効果に。もったいないからと長時間つけるのは絶対に避けて、商品の説明書にある使用時間を守ってください」
さらに、その後には「油分」の補給がマストだとか。
「皮膚は脂と水でできています。水だけでは蒸発する一方ですが、脂のおかげで人は干からびないのです。肌の保湿も同じこと。水分を補ったら、よく“ふたをする”といいますが、乳液など油分を多く含んだもので蒸発を防がないとダメ。
水分だけだと肌に浸透しないので、シートマスクや化粧水にもわずかながら油分は入っていますが、より油分の多い乳液を一緒に使わないとケアとしては不十分」
芸能界の“美容番長”田中みな実は、シートマスクを顔にあて、上から乳液を塗って10分間。次にシートをひっくり返して、乳液を塗った側を顔にあて、さらに10分パックをするとか。
「それは、いいですね。水分の後に油分を補うということで、理にかなっています。さすがですね(笑)。私自身も肌が乾燥しやすいので保湿クリームは手放せませんよ。シートマスクも、肌の仕組みを理解したうえで上手に使っていただきたいですね」
取材・文/志賀桂子
北條元治先生 形成外科医。医学博士。肌の再生医療専門家。(株)セルバンク代表。YouTubeチャンネルでは、細胞研究に基づくスキンケア情報を精力的に発信。登録者数は27万人を超える(2023年12月現在)。