幸せをつかむための“3つの心がけ”

 幸せになるための心がけとして、千代里さんは「自分を認めること」に加えて「自分の気持ちに正直でいること」、「気楽に生きること」も心がけているそう。

「大学卒業後、周囲の反対を押し切って花柳界に飛び込み、早くに新橋のNo.1になりました。そのことに対する嫌がらせもありましたし、つらいことも多く、当時は自分を守るために気持ちに蓋をしていました。でも自分の気持ちを無視したままでは幸せにはなれないんですよね」

 8年間売れっ子として活躍し多くのご贔屓に愛されたが、傷つくことも多く、つらい気持ちに気づかないふりをしていたのだ。

「あるとき体調を崩して自分の気持ちと向き合うようになり、それからしばらくして引退を決めました。すると、自分の気持ちに正直でいることの大切さに気づかされたんです。

 つらい気持ちを正直に認めて、頑張ってるね、立ち直るのも時間がかかって仕方ないよねって自分の味方になってあげたら自然といい巡りに変わっていきましたね」

 また、「気楽に生きる」という心がけも芸者時代の経験から生まれた考え方だそう。

「芸者をしていたころは、こんなこと知らないなんて恥ずかしい、ばかにされる、と思い自分を大きく見せようとしていました。

 でも、そう思うほど足をすくわれてしまって。『自分はこんなものだ』と良くも悪くも相手にありのままの自分をさらけ出してからは、生きやすくなりました」

 成功している方たちは、驚くほど謙虚で腰が低い。聞き上手で、知らないことは知らないと言える度量の広さを感じたと振り返る。

元No.1芸者 千代里さん流【幸せをつかむ3ルール】

(1)自分を認める

 できたことを褒めて、自分を認めることで、行動や選択、周囲の反応も変わり、物事がいい方向へ動き出す。

(2)自分の気持ちに正直になる

 生きることは喜怒哀楽を味わうこと。気持ちに正直になり、自分の味方になってあげることが幸せをつかむための近道に。

(3)周囲にありのままをさらけ出す

 周囲に自分を大きく見せようとすると、足をすくわれる。ありのままの自分をさらけだすことで、生きやすくなる。

千代里さんが実践している褒め日記。メンタルコーチの手塚千砂子先生が提唱する自己啓発法で、その日できたこと、褒める言葉を書いていく
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【写真】千代里さんが幸せをつかむために実践している「褒め日記」