これに勝るものなし「ごちそうみそ汁」
タンパク質の次に鎌田先生が食生活で大事にしているのは、野菜。
「認知症や動脈硬化、脳卒中などは、慢性炎症が原因といわれています。炎症を防ぐには、抗酸化力のある野菜、特に緑黄色野菜が重要。1日350gを目安に、朝から野菜をたっぷりとるようにしています」
220g程度の野菜とえごま油を小さじ1杯、そこに豆乳か牛乳を加えて作る自作の野菜ジュースは1日おき、具だくさんのみそ汁はほぼ毎朝食べている。
「緑黄色野菜はもちろん、キノコ、海藻など冷蔵庫にある食材を何でも投入して具だくさんの“ごちそう”にしています。そこに豚肉やベーコン、卵などタンパク質を加えると栄養価も高まる上に、コクもアップするのでおすすめ。不ぞろいの高野豆腐を入れることもあります」
野菜に多いカリウムには、塩分に含まれるナトリウムを排出してくれる作用があるが、カリウムは水に溶けやすいので、より減塩効果が期待できる。また、汁物にすることで野菜の量が食べやすくなるのも利点だ。
さらに、朝のみそ汁のメリットはこれだけにあらず。発酵食品のみそにより、腸内環境の改善につながると話す。
「腸内環境が良いと免疫力アップにもなりますし、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌も増えます。便通が良いと美肌にもなるので、いいことばかりですね。タンパク質、野菜、発酵食品。この3つをバランスよく毎朝欠かさないことが僕の健康の源です」
鎌田式朝食術
・食事量は朝4:昼4:夜2の割合
・タンパク質と野菜をとる
・発酵食品をとる
鎌田實先生●地域一体型の医療の先駆けとなり、長野県を健康長寿県に導く。'18年からは佐賀県で「がんばらない健康長寿実践塾」を開催。『医師のぼくが50年かけてたどりついた 鎌田式 長生き食事術』(アスコム)など著書多数。
取材・文/河端直子