目次
Page 1
ー 実は少なくないリスクの低いがん
Page 2
ー ゆっくりと進むものも【甲状腺がん】
Page 3
ー 近年急増している【のどのがん】
Page 4
ー 自分で見つけやすい【皮膚がん】
Page 5
ー 10年生存率98.7%【前立腺がん】

 

 なんらかのがんにかかった場合に5年後も生きている「5年生存率」は、最新のデータでは64.1%。10年後の「10年生存率」だと59.4%だ。つまり、がんが見つかった人のおよそ6割は10年後も生きているということ。

実は少なくないリスクの低いがん

 ひと昔前に比べればたしかに数字はよくなっているが、いまだに100人ががんになれば10年以内に約40人が命を落とすことになる。怖い病気であることに変わりはないが……、

「ひと口にがんといってもさまざまな種類があります。中には、生存率のきわめて高いものもありますよ」

 と言うのは日本大学の高橋悟先生だ。

 国立がん研究センターが公表しているがんの種類別の5年生存率を調べてみると、たしかに膵臓(すいぞう)がんなど、とても低いものもあれば、生存率99%という前立腺がんなど、かなり高いものもあることがわかる。

「とても予後の悪い難治がんもあれば、きちんと治療をすれば問題なく治るがんもあるのです」(高橋先生)

 また、治るだけでなく、金銭的なメリットがある場合も。一部の住宅ローンは、がんと診断されると借入残高が0円に、つまりいくら残っていても返済が一切不要になるのだ。

 早めに治って早期回復でき、人によっては多額の住宅ローンがチャラになるケースもあることを考えると、必要以上にがんを恐れて目を背けるのはよくないのかもしれない。

 生存率の高いがんを個別に紹介していく。もし気になる症状があるならこれを機にぜひ受診してほしい。なお、注意点が。

 治りやすいがんがあるのは確かだが、それはすべて適切な治療を受けた場合の話。放置してよいわけではないので、早めの受診や定期的な検査を忘れずに。

種類によってこんなに違うがんの生存率 出典:国立がん研究センター がん情報サービス
種類によってこんなに違うがんの生存率 出典:国立がん研究センター がん情報サービス