目次
Page 1
ー 仕事の負担や家庭の問題。ストレス過剰な50代
Page 2
ー 「押し入れを全部開けて」自信のなさを見破られた ー 死別を乗り越えて「おひとりさま」暮らし
Page 3
ー 仕事場でも残業時間を大幅に短縮できるように

 

 50代の働く女性は、多くの悩みを抱えやすい傾向にある。自身の年齢に伴う心身の不調、仕事で担う重要な役割、親の介護、子どもの成長に伴う金銭的な問題や家庭問題と、肉体的にも精神的にもそのストレスは計り知れない。

仕事の負担や家庭の問題。ストレス過剰な50代

 うつ病をはじめとする気分障害の患者は男性より女性に多く発症し、40代以降の患者数が多いという結果が出ている(2020年厚生労働省の調査)。心労は募るばかりだが、「悩みから解放され、人生が好転した」という50代の女性に話を聞くことができた。

「半ばストレス発散で買い物をしていました。子どももいないので、自分で稼いだお金で好きなものを買える状況で……」

 こう話すのは、キャリアを重ね、バリバリ働く義永直巳さん。40代、50代と年齢が上がるにつれて仕事のポジションも重くなっていき、忙しくなったという。毎日、仕事から帰るのは22時過ぎ。

「当時はモノの選別をせずに買っていて、使うことがなく放置されていたものも多かったんです」

 休みの日も、リフレッシュしたくて外に出ていくので、片付ける時間はなく、家はいつもごちゃごちゃだったと振り返る。

 パートナーや友達が家に来るときは、モノを収納に押し込んでごまかしていたが、そのうち収納スペースにモノが入り切らなくなり、何とかしなければと感じたものの、多忙な日々と心労でどうすることもできない。そんな状況で出会ったのが“断捨離”だ。

「2017年にある雑誌で断捨離提唱者のやましたひでこさんに家に来てもらえる企画を見つけたんです。背水の陣という思いで申し込んだら当たってしまいました。

 雑誌に自分の家が載るなんて、恥を晒すこと。でもそこまでしないと今の状況は変わらないだろう、と覚悟を決めました」

「昔はぎゅうぎゅう詰めで、必要なものが見つからずイライラ」していた引き出し。中身を最小限に絞り、使いたいものがすぐ選べる状態に
「昔はぎゅうぎゅう詰めで、必要なものが見つからずイライラ」していた引き出し。中身を最小限に絞り、使いたいものがすぐ選べる状態に