日本で唯一の老舗中華鍋工場

 1957年創業の山田工業所は、横浜中華街、中華鍋のシェア80%を占め、日本で唯一、「打出し」と言われる製法で中華鍋を作っています。

 打出しとは、大きなハンマーで鉄板を叩いて形作ること。そうすることで鉄は強くなり、鉄内に含まれる不純物が排除されて熱伝導がよくなります。表面にできた凸凹によって油なじみをよくし、焦げつきにくくなります。この凸凹のバランスは、職人さんの長年の技と勘が生み出す実力。

 そのような職人のこだわりが詰まった一品の使い勝手のよさに、料理のプロたちは大絶賛! プロに愛される中華鍋、フライパンを作り続けます。

 ハンマーが鉄板を叩く部分を細かく操作するのは、職人さんの勘どころ。形を整えつつ厚みを調整、表面の凸凹を施していきます。これゆえに、使用した際素材への熱伝導がよくなり、きれいな焼き色をつけることができて素材の味を引き出すと、いいことずくめ。特にフライパンは、底面から立ち上がりの部分は厚さ0.8mmと薄くなっています。そのため火に当たると、そこから一気に熱が鉄板を伝わり、バランスよく素材に火が入ります。

職人の目と手による微妙な匙加減
職人の目と手による微妙な匙加減

 鉄板を切り出すところから最後の仕上げまで、職人の目と手による微妙な匙加減がろくパンの使い心地を生み出します。それゆえ、機械はまさに職人の第二の手のよう。真摯に向き合い、誠実に鍋を作る手仕事のこだわりを使うほどに実感するはず。