陰部の異常な臭いと風呂場での大量出血【子宮頸がん】

性交痛の痛みと出血に加え生理の異変で月の半分は出血……善本考香さん(53)

 2人目は2011年に子宮頸がんを宣告された善本考香さん。

「夏になって、陰部から鼻をつくような酸っぱく異常な臭いがするようになり、病院に行ったほうがいいなと思っていました。それから少ししたころ、お風呂場で髪を洗っていると、膣から大量の鮮血がドバッと流れ出たんです。

 不正出血はそこまで珍しいことではありませんが、血の色と量を見て、もしかしてがんかもと強い恐怖に襲われました」(善本さん、以下同)

 国立病院の婦人科を受診すると、医師から「命の危険がある。子宮体がんか、子宮頸がんかもしれない」とあやふやな“がん宣告”を受け、恐怖で頭が真っ白になった。

 振り返ってみれば当時は目がチカチカしたり、血糖値が下がったときに起こるような変な汗が出たりすることもあった。また5年近く前から、性交時にも異変が起きていたという。

「毎回痛みと出血がありましたが、あまり気にしないようにしていました。数年前から生理も2週間続くようになって、出血が日常になっていたんです。今思えばどれも異常な症状ばかり。身体は明らかにSOSを発していました」

 それから新しい病院を受診し、再検査を受けるとステージ1の子宮頸がんが見つかり、子宮と卵巣の摘出手術を受けることに。ようやく、がんの正確な状態がわかってホッとした。

 手術では、骨盤内のリンパ節に転移も見つかり、同時切除。術後は抗がん剤治療を行ったが、2012年にお腹のリンパ節への再発が判明し、すぐに2回目の抗がん剤と放射線治療を行った。

「3度目のリンパ節転移が見つかったときは命の危険を感じました。セカンドオピニオンで、標準治療以外の保険診療にもトライしてくれる医師と出会い、その後の2度にわたる全身転移も乗り越えて、2013年の年末にはすべてのがん細胞が消滅しました」

抗がん剤の副作用で脱毛が進んだ善本さん。しばらくはウィッグをつけて生活していた
抗がん剤の副作用で脱毛が進んだ善本さん。しばらくはウィッグをつけて生活していた