3か月後:トータルで6kg減量!ALTなどの数値も正常に
体重が減らない停滞期を経て、体重が落ち始めたのがダイエット開始3か月目。
食後のスクワットを日課にすると、ぽっこりお腹が少しスッキリしてきた。体重計に乗ってみると、6kg減っており、肝臓の数値はAST21、ALT33、γ-GTP13。
ALTはまだ基準値にはなっていないが、脂肪肝は見事改善した。由美さんの実例をもとに、尾形先生はこんな言葉を付け加えて締めくくった。
「頑張りすぎないことが大切です。1か月目は、料理を作るのは1食だけでもいいんですよ。あとは野菜たっぷりの宅配弁当や、前日のみそ汁に違う具を加えるだけでも大丈夫。
たとえ減量がうまくいかなくても自分を責めず、飲み物は水かお茶と決めて現状維持に努めましょう。この食事法は何度失敗したって、またやり直せるものです。
少し体重が増えてもまたリセットすればいい。肝臓を守ることが自分の命を守ることになるので、諦めず続けてくださいね」
肝臓をいたわる極意5か条
1:体重を1日1回量って記録
体重だけでなく食事内容も記録することで、セルフコントロールができるようになる。
2:甘い飲み物をやめる
砂糖や果糖ぶどう糖液糖入りの飲み物や炭酸飲料だけでなく、野菜ジュースやフルーツジュース、乳酸菌飲料やスポーツドリンクもやめること。
ゼロカロリー飲料も食欲増進作用があるので避けよう。飲み物は水かお茶、ブラックコーヒー、無糖炭酸水にする。
3:野菜を増やす
1日で両手一杯の量350g、普段の2倍はとるのが理想的。特に緑黄色野菜がおすすめ。じゃがいもやさつまいも、かぼちゃ、とうもろこしは糖質が多いので注意。
生野菜でなくスープ、鍋などの調理法もOK。食事の際は最初に野菜を食べるベジファーストを守ることで、糖の吸収が穏やかに。野菜やきのこの小鉢を毎食プラスして。
4:糖質を1食40gに減らす
糖質量は1日70~130g、1食あたりは約40gが目標。ご飯なら1食半膳70g、食パンは6枚切り1枚で60g、うどんは半玉で120g、パスタなら乾麺で35g。
その分、おかずの量は増やしてOK。白米を雑穀ご飯や玄米にしても糖質量に大差はないので誤解なく。
5:加工食品を減らす
添加物の多い加工食品をとると、肝臓は解毒作業が増えて休まらない。サプリメントや栄養ドリンクも負担になるので控えて。
教えてくれたのは……尾形 哲先生●医学博士。長野県佐久市立国保浅間総合病院外科部長、同院「スマート外来」担当医として脂肪肝対策など啓発。パリ、ソウルの病院で、多くの肝移植手術を経験、日本赤十字社医療センター肝胆膵・移植外科で生体肝移植チーフを務めた。
取材・文/植田沙羅