仕事のつらさより制限されない解放感

 桑島さんは40歳にして車の免許を取得。離婚後、不動産売買仲介の会社に就職し、賃貸物件を車で案内する仕事などを行ってきた。

仕事は苦じゃありません。離婚する前は、友人と会うのも制限されていたので、解放感があって幸せでした。その会社は60歳で定年を迎え退職しましたが、まだまだ元気ですし働きたかった。

 求人誌で“年2回社員旅行あり”“温浴施設での仕事あり”という募集内容を見つけ、旅行や温泉など出かけることが好きな私はすぐに興味が湧いて面接に行きました。それが現在の会社です」

 60歳を過ぎての就職で、採用してもらえたことに喜んだものの、厳しい現実もあった。

やはり営業職は売れないとつらい。特に入ったばかりのころはそんな時期も続き、辞めたいと思うことも当然ありました。

 そんなとき、“この仕事で頑張ろう”と励まし、とどめてくれたのは同僚たち。当時いた支店では同僚が5〜6人しかいなかったのですが、みんないい人ばかりで」

 そして今、在職歴は12年になろうとしている。今後は何歳まで働きたいか伺うと、

「80歳を目標に働ける限り働きたい。が6人いるのですが、何か欲しいとせがまれたら買ってあげたいですし、姉妹や友人とまだまだ旅行も楽しみたいですから」

 と、笑顔で話す。

まず大事なのは自分自身が健康であること。よく食べてよく運動して働く。そして健康になったと喜んでくれる人を増やしたいですね

桑島恵子さん●家庭用医療機器販売・マネージャー代理。1951年生まれ。高校卒業後、デパート勤務。結婚を機に退社、2人の子どもを授かる。子育てが一段落して離婚。不動産売買仲介の会社に再就職、60歳で定年退社。現在は家庭用医療機器販売・フランス総合医療にてフランスベッド商品を販売。
桑島恵子さん●家庭用医療機器販売・マネージャー代理。1951年生まれ。高校卒業後、デパート勤務。結婚を機に退社、2人の子どもを授かる。子育てが一段落して離婚。不動産売買仲介の会社に再就職、60歳で定年退社。現在は家庭用医療機器販売・フランス総合医療にてフランスベッド商品を販売。
【写真】定年退職後に再就職、80歳を目標に働きたいと桑島さん

桑島恵子さん●家庭用医療機器販売・マネージャー代理。1951年生まれ。高校卒業後、デパート勤務。結婚を機に退社、2人の子どもを授かる。子育てが一段落して離婚。不動産売買仲介の会社に再就職、60歳で定年退社。現在は家庭用医療機器販売・フランス総合医療にてフランスベッド商品を販売。


取材・文/小野寺悦子