血管力が若返る!【池谷式】生活習慣

週3回の9000歩ウォーキング

 まず、池谷先生が大事にしているのは、適度な運動。

高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の大きな原因の1つは運動不足。これは血管の老化に拍車をかけるので、実際に私も定期的な運動を心がけています

 おすすめは、1日9000歩を目標にしたウォーキング。週3回程度できればベストだとアドバイスする。

ただし、早朝は避けましょう。交感神経が緊張していて、心拍数と血圧が上がりやすく血管に負荷をかけてしまいます。また、空腹時の運動は脱水を招き、血栓を生じやすくするので、せめて水分補給を行って30分程度たってから運動をしてください

 ベストな時間は夕食後。心拍数、血圧ともに落ち着いている時間帯である上、食後に有酸素運動をすることで、血糖値の上昇を抑えて動脈硬化を予防することにも効果を発揮する。特に、夏は暑さを避けられる点でも続けやすくメリットが大きい。

万病のもとストレス回避!

 イライラ、クヨクヨする感情も血管を傷つける要因。

「患者さんのなかにもストレスが原因で血管が傷んでいる人は多いです。夫の退職後にストレスが増えたと話す60代の女性の血管を検査すると、内側がこぶだらけでボコボコ、ということもありました」

 そう話す池谷先生が、ストレスをためないために普段から意識しているのは、“受け流すこと”“距離を置くこと”。嫌だなと思うことがあっても、他者の行動を変えることは家族でも難しいので“こういう考えもあるのだな”とやり過ごすのが得策だ。

 また、ゆっくりお茶を飲んだり、趣味に没頭するなどして嫌なこと自体を思い出さない手立てを持っておくことも有効。池谷先生は、愛犬との時間が癒しだそう。

それでも、ついイライラしてしまったら、“血管や心臓の健康を損ねてまで怒ることかな”と自問自答を。すると、自然に“まあいいか”と思えてきますよ

スポーツウエアで快適睡眠

良質な睡眠も血管の健康には不可欠。途中で何度も目が覚めてしまうような浅い眠りは交感神経を優位にし、血圧・心拍数を上昇させるので、絶対に避けたいですね

 睡眠時間は、5時間以下が続くと血圧の上昇に影響するため、最低でも6時間を確保。

 ナイトウエアは、通気性がよく、寝汗をかいても心地よく眠り続けられるように、パジャマではなくスポーツウエアを選択。寝返りがしやすい枕も必須快眠アイテムだ。

枕は、平らで幅が広くて、横向きに寝た時に鼻と顎の中心、へそを結んだラインが同じ高さになるのが理想です

 就寝前には、ハーブティーなどでリラックス効果を高めるのもよいが、夜間のトイレに2回以上起きてしまう人は控えめに。

睡眠が改善されると日中の運動にもやる気が出てきますし、血管力アップのための生活へどんどん好転していくはずです